オタクの大絶叫

よくしゃべるオタクです

「FAKE MOTION」という絶望救済スポーツドラマを紹介します

www.fakemotion.jp

 

相変わらずご無沙汰しております。さとうです。

さて、タイトルにもありますが、みなさんは「FAKE MOTION」というドラマをご覧になったことはありますでしょうか? 簡単に言ってしまうと、スタダの男の子たちが所属する「EBiDAN(恵比寿学園男子部)」がこぞって出演する卓球青春ドラマなんですが、そんなもんはね、表向きなんですよ。※わたし個人による偏見です

ちなみに読んでいただいているみなさまは、アニメや映画、ドラマではどんな話が好きですか? SFとか… アクションとか… ラブロマンス、コメディ、ノワール、ヒューマンドラマ、青春モノ…… という大きな括りのほか、「こういうシナリオだとめっちゃ好きにならざるを得ない」みたいな傾向がある方も結構多いのではないでしょうか。
わたしの場合、好きなアニメは「魔法少女まどか★マギカ」「AKIRA」「新世紀エヴァンゲリオン」みたいな、ザ・セカイ系でちょっと気分が落ち込むような話が好きなんですが、「FAKE MOTION」、そんな落ち込みセカイ系が好きな方におすすめしたい(※盛っているのでご注意ください)。

とはいえメインターゲット*1を鑑みて青春&スポーツ&ブロマンス要素が強いのは間違いないので、そういう要素も好きな方にはより推したい。あと1期のタイトルである「FAKE MOTION -卓球の王将-」から薄々感じられる某SFテニス漫画のような、トンチキ要素への耐性もあると良いと思います(FAKE MOTION入学講座?)。一応本作は監督が「二次創作とかもしてもらっていい」と言っている*2ので、そういった8話という少ない話数の間をセルフで埋めていく楽しみなんかもあったり。

ということで今回は、わたしが続編を熱望する「FAKE MOTION -卓球の王将-」の推しポイントをいくつかピックアップして、もっと視聴者を増やしたいぞ! という記事になっています。

いまの時点で観る気になっていただけた方。Huluでご覧いただけます。2週間の無料期間をFAKE MOTIONにささげてみませんか?(Huluのプロモーション?)


▼FAKE MOTION1期のページに飛びます

www.hulu.jp

オタクがだ~いすきな、試合を忘れて各校で絆を深めながら別の事件解決に奔走するアナザーストーリーもあります。好きでしょみんな!!! 本編でいがみ合っていた面々がOVAで急に親しくなってるやつ!!!

 

 

ちなみにとんでもなくネタバレしているので、ネタバレされることで興味を持つタイプの方のみお進みください。

 

1.「FAKE MOTION」の作品概要

ストーリーとしては、卓球がすべて=卓球の強さがすべてのヒエラルキーを制する世界と化した東京を舞台に、そんな狂った世界*3を終わらせるべく、現トップの薩川大学付属渋谷高校に挑む恵比寿長門学園の面々の姿を描いた超次元青春スポーツドラマです。設定の盛り合わせすぎて最初の情報解禁の時宇宙猫の顔をしてしまいました。

上でも書いた通り、EBiDANの新プロジェクトのような形で始まっているため、1期は特にほとんどのキャストがEBiDAN所属。顔の良い男たちが画面狭しと大暴れという具合で眼に良い、心に良いドラマです。

2.意外と座組が固い

スタッフクレジットを見ると、かなり気合入った顔ぶれで固めてくれているな~ と勝手に感じております。

まず監督の河合勇人さん×千村利光さんは、きっと知っている方も多いであろう「PRINCE OF LEGEND」シリーズのタッグです。要するに、“事務所の色に配慮した作品作り”ができるお二方。感覚として、河合さんは物語を展開する方、千村さんは各学校&キャラクターの背景を語る方、という印象でした。後述の5話は千村さんです。

制作会社は、CM界隈ではかなり有名なauの三太郎を始め、Netflixドラマ「ヒヤマケンタロウの妊娠」やVaundyさんのMVなど、映像制作全般を幅広く手掛けるプロダクション、AOI Pro.さんです。めちゃすごい。

WORK | AOI Pro. Inc.

あわせて、情報解禁当初からのパワーポイント、キャラクターデザインのおげれつたなか先生*4や、音楽のまふまふくん、ナレーションの花江夏樹くんなど、その界隈での人気者が大集結。

そして、1期は佐野勇斗くんや北村匠海くん、超特急の面々と、EBiDANと聞いてパッと浮かびやすいメンツが顔を揃え、東京の卓球カーストを巡る戦いを繰り広げています。
一方、関西を舞台とした2期は、主人公はONE N' ONLYの草川直弥くんと元M!LKの板垣瑞生くんという比較的若手組がW主人公的に物語を動かしつつ、バイプレイヤーとして荒牧慶彦くんや玉城裕規くんと、2.5次元トップランナーたちが勢揃い。元々若手俳優のオタクをやっていたので、キャスト情報解禁された時あまりの顔ぶれにビックリしました。刀剣乱舞だってやっとの思いでスケジュール合わせるレベルのメンツ。知らんけど……。

そんな頼もしい布陣によって「FAKE MOTION」は描かれております。ありがとう!!!!!

3.“ギフテッド”という名の絶望の救済

FAKE MOTIONで肝になってくるのは、「ギフテッド」という圧倒的に抜きん出た特殊能力を持つ選手の存在です。

例えばエビ高部長の松陰久志(演:北村匠海)は鼻歌を歌うことで相手の聴覚などを奪い*5、同時に自身の潜在能力は極限まで高めるという「無音の絶対時間」、八王子のプリティボーイ、沖田彩(演:矢部昌暉)は、相手の感情を色で判断する能力「カラージャッジ」、2期のキーマン・土方歳鬼(演:板垣瑞生)は、切り裂くように鋭い打球を放つ「ジャック・ザ・リッパー」と、中二心をくすぐる名前のついた技をそれぞれ持っています。

もちろん、ギフテッドの有無、そもそもチームにギフテッドを持つ選手がいるかいないかでその選手や学校の命運が大きく変わってくるのですが、注目すべきは「なぜその選手は『ギフテッド』を得たのか」

ギフテッドの開花の基本的*6なきっかけは、持ちきれないほど大きな負の感情です。(クゥ~~~~~ たまんね~~~!)(恵比寿に向かって大声で)

先述の彩は、かつて施設にいたころ周囲の子どもたちにいじめられており、その経験から、相手の感情が色として判断できるようになっています。だから、ギフテッドが必ずしも“恵まれた才能”と呼べるのか、というのも難しいところです。ある意味代償を払っていますからね。

とはいえ、ギフテッド開花のきっかけが一人ひとり描かれているわけではなく、上記だけが理由というわけではないとも思うので、そこもぜひ知りたい…! というところ。

4.青春スポーツモノの顔をした“セカイ系

さて、わたしのFAKE MOTION圧倒的イチオシポイントは、“卓球がすべての世界”になってしまった経緯です。

そのきっかけは、本作で鍵を握り、もはや第2の主人公タッグとも言えるエビ高部長・松陰と、薩川部長・島津の関係にあります。もう好きすぎて書いててもドキドキしちゃうよ。

幼馴染であり、かつては仲良く卓球に勤しんだ松陰と島津は、ある日松陰の幼い妹とともに楽しく卓球で遊んでいました。そこに怪しげな野良卓球プレイヤーが現れふたりに試合を挑みます。なんてったって卓球が上手い松陰と島津はその野良プレイヤーをコテンパンにするのですが、FAKE MOTIONの世界のチンピラ、それはそれは治安が悪いので、腹いせに卓球場を放火するんですね。いやヤバすぎ
そして、松陰自身はかなりの大怪我かつ記憶喪失、心臓の障害を患いながら一命は取り留めたものの、妹は帰らぬ人となってしまいます。

この時島津は、大切な幼馴染である松陰がもうこんな悲しい現実を見ないように、悲しみから目を逸らせるように、という強い想いから“視界を奪う”ギフテッドを開花させます。きっかけは人によりけりだと思いますが、島津の場合絶望とも言えるレベルの悲しみが起因したわけですね。つらい……

さらに、松陰が大きな悲しみを背負う原因となった出来事を、そしていまは忘れている亡き妹を思い出さないよう、絶対王政にも近い仕組みを作り上げ、そして自身がそのトップに君臨し続けることで、松陰を卓球から退けさせようとしたのです。
でも、つらすぎる出来事を思い出すのと、大切な存在を忘れてしまうの、どっちがキツいかと言うのも悩みどころな気も。ある意味島津のエゴだよな~ とも思ったり。気持ちは超分かるけど。

正直に申しまして、こういう企画が決まると「身内ドラマなんだろうな」と斜に構えてしまうところがありました。しかし蓋を開けてごらんよ。この「誰かを大切にしすぎるが故に、世界(または自分のいる界隈)を変えてしまう」「巻き込まれる奴なんかどうでもいい」的な展開、ま~~~多少の贔屓バイアスはあるにしても、マジで良すぎてビックリしました。ラブ。本当にラブ。

ストーリーまっっっっっったく同じで良いのでアニメでもう一回やってほしい。

5.各学校のバックグラウンドもちゃんと重め

ネタバレしすぎるのもあれなのでここのパートは簡単に……。

一期では主に「恵比寿長門学園(エビ高)」「薩川大学附属渋谷高校」「八王子南工業高校」の3校が、二期では「天下布武学園」「謙信ソルト電子工学院」「信玄明王高校」の3校がバックグラウンドも描かれています*7

この中で特にグッと来たのが、公式で“治外法権”と称される「八王子南工業高校」です。いや治外法権って。
ただ、治外法権とか言われ、ユニフォームも黒でいかにもワルっぽい彼らですが、マジで背景が泣けすぎます。上でも少し触れましたが、彩を含め八王子のメインメンバーは全員が施設出身であり、親がおらず子どもたちだけで育ってきています。そんななかでいじめられていた彩を救ったのが、すでに卓球を始めていた勇美、歳鬼、辰(演:泉大智)、哲(演:ジャン海渡)の4人です(名字で書いたら完全に新選組になっちゃったので名前で)

卓球がアタシたちを家族にしてくれた」と劇中で部長の勇美が語る通り、卓球が繋いだ“家族”としての絆を武器に、団体戦ではかなりの実力を持つ5人の友情は非常に胸を打ちます。なお八王子フィーチャー回は第4話! 千村監督!

ちなみに、勇美はオネエ口調ですが、これにもちゃんと理由があり、わたしはドラマで観た時ボロッッッッッッボロに泣きました。ただのキャラ付けじゃなかったんかい……!!!

6.5話…… 本当なに?

この話、こちらの記事でもしたんですけど、マジで5話………………………………………… なに……………………………………………………?

三点リーダbotになってしまいました。失礼しました。
正直あまり創作物として昇華させて「最高!」とは言い難いバックグラウンドもあってのこのポイントなので、言葉選びがややこしかったりしたらすみません……。

FAKE MOTION1期は8話という比較的少ない話数で物語が完結しています。なので結構1話の情報量がぎっしりで「ちょっと待ってくれ」と言いたいスピード感で話が進む場面もなかなか多いのですが、そんななかで異彩を放つ第5話。もうね、多分ドラマでここまで泣いたのフェクモ第5話とワンダヴィジョン最終話*8くらいです。フェクモに関しては、時期が時期だった(後述します)ので物語の良さとダメージのダブルアタックで放送終了後もしばらく泣いていた記憶が……。

焦らしはここまでにして、第5話では「薩川副部長・大久保利一」の話で1話まるごと構成されています。

↓薩川大学附属渋谷高校2年、卓球部副部長・大久保利一さん

おい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
かわい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ちなみにおげたな先生のキャラクタービジュアル立ち絵だとこちら。

natalie.mu

大久保利一さん、立体でも平面でもかわいい。冷血という言葉のよく似合う島津に対し、大久保はもうとにかく熱血。ギフテッドは無いながらも、持ち前の情熱と向上心を武器に副部長の座を勝ち取り、島津とは異なるアプローチで部員を牽引しています。大好きかい。

次期部長になるべく、日々練習を重ねる大久保。しかし、第5話ではそんな大久保大ピンチ! 西郷が次期部長!? 部長! おれじゃダメなんですか! よ~し! チーム内で総当たり戦をしておれの実力をチームや部長に見せつけてやる! というのが5話のイントロダクションなんですが、大久保利一の成長物語では終わらせないのが千村監督でございます。

6人の選抜選手のうち、2年にして選ばれているのは大久保と西郷のふたりのみ。ただ、大久保に反して“神の子”とも評される西郷にはギフテッドという恵まれた才能があるほか、感情の起伏が少なく、熱血ぶりが空回りしがちな大久保から見ると「余裕そう」に写り、憧れとも劣等感ともいえる感情が渦巻いてしまいます。

しかし、一方の西郷からしてみれば、なにかのためにひたむきな努力を重ねられて、また、チームメイトたちからの人望も厚い大久保もまた、憧れの対象なんですよね。そんな、互いに長所が異なり、その“自分には無い部分に羨望しつつも、だからこそさらなる向上心につながっていく”という関係が5話ではしっかりたっぷり描かれています。いい意味で長く感じる時間だった。

そしてなにより、この大久保と西郷の関係性は、演者である超特急ユースケ&タクヤにも通じる部分がかなりあり、当日は「タクスケ」でトレンドにも入っていましたね。日本中がタクスケに涙しているよ。
というのも、本作は2020年4月期のドラマだったわけですが、ユースケくんがその1ヶ月強前にグループを脱退していたため、少なくとも8号車はほかとは異なるフィルターを掛けて観ざるを得なかったわけです。「努力を惜しまない人」「たくさんの人に愛される存在」という大久保のキャラクターはユースケくんと共通しており、自分で自分の魅力という名の才能に気づけなかった大久保がチームメイトたちからの言葉を受けて大きく成長していく姿は、当時の8号車にはあまりにも刺さりすぎてしまったんですよね。

西郷が大久保にかけた「リーチ*9は俺の光だ」という言葉は、傷心だったわたしのことも救ったりしてくれたのでした。ありがとう第5話。

嫌な余談&ネタバレ注意ですが、ここまで5話で丁寧に利一くんのこと書いたのに、最終決戦でかませ犬扱いだったのだけは正直納得いっていません。



長々と書いたのにご覧いただきありがとうございました……。
ちょっと言い過ぎだけど、“才能には絶望が伴い、生まれた才能によって抱いた絶望を救済する”、みたいな展開、ようやったな…… と非常に感動しました……。ありがとうFAKE MOTION……。

2期終了後はEBiDAN若手がライブを開催するためのコンテンツみたいになっていて遠くから少し悲しい気持ちになっていたりしますが、本当~~~に良いドラマなのでぜひ多くの人に観てほしい……。確かに身内ドラマ感はゼロじゃないとは思うんだけど、それを逆手に取った配役などがなされていると感じていて、期待値が別に低かったわけじゃないけど、本当にちゃんとしっかりハマって、放送から2年経ったいまも1期の面々でのドラマやアニメ、映画などの新規コンテンツを心の底から願っています。おげたな先生のキャラビジュあるから、アニメ化も早々にあると思ってたんだけどな~。おげたな先生の絵が大好きなのでずっと待っています。


そんなすでに名を馳せたEBiDAN所属の若手実力派俳優や、ネクストブレイク必至の演技派陣が勢揃いして織り成す最高ドラマをぜひご堪能ください!!!!!

 

▼もっかい貼っておきますね

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▼円盤も要チェケ

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アフィリエイト等つけてないのでガンガンリンク踏んでください(?)

*1:正確にはわからないけど、TVとかでよく言われている「若い女性」かな~と

*2:監督だけがそう思っている可能性があるので、見える場所で発信するなら行間を読む程度に抑えるのが良いかなと思います

*3:マジでその通りすぎる

*4:BLじゃないのに“おげれつたなか”さんの名義です。スタダコードのためかおげたな先生のかの代表作がホームページに記載されてなかったのちょっと納得いかない

*5:イップス

*6:ドーピング的なモノで強制開花も可能は可能

*7:信玄明王は少しだけど

*8:ディズニープラスで配信中! みんな観て~~~!

*9:大久保のあだ名