オタクの大絶叫

よくしゃべるオタクです

超特急が遠慮なく血に染まる「Beautiful Chaser」の魅力を語る

natalie.mu


 

みなさんは「リョナ(男リョナ)」という単語を聞いたことがあるだろうか?


扱いに注意を要するワードなので、詳細は個人で検索してくれると助かります(なら聞くな)。

そんなリョナ/男リョナですが、わたしの知人にもリョナが大好きな人がいたり、個人的にも劇中内に限ってはどちらかと言えば好きな方で、ニッチとは言いがたいほど支持を集めるカテゴリーに該当すると考えています。

 

話は変わりますが、みなさんは超特急の「Beautiful Chaser」という楽曲はご存知でしょうか?

 


超特急「Beautiful Chaser」MUSIC VIDEO

 

2015年放送のドラマ 『探偵の探偵』(フジテレビ)の主題歌で、当時の彼らにはダークすぎるほど、「らしくなさ」抜群の異色の一曲です。
この曲は七つの大罪をテーマにメンバーがそれぞれ大罪を背負い、それが暗に表現された創造意欲をかき立てる芸術性の高いMVが制作されています。
MVは、赤いレーザー状のライトのみが光る無骨な空間で撮影され、全体的になんとも陰湿で不穏な空気が漂います。本曲のセンターであり、憤怒の罪を担う5号車ユーキくんの鋭い眼差しが、最後にヒリッとするようなささやかな恐怖を与えるのが印象的。

 

ここまではね、主題歌ですから。割りと観ていただいている方も多いんですよ。
実はこのBeautiful Chaserには、MVのほかに「Music Story Film」と呼ばれるショートフィルムが制作されています。Youtubeにさらにそのショートバージョンがアップされているのでぜひチェック。

 

www.youtube.com

 

 

さてここでもう一度聞きます。みなさんはリョナをご存知ですか。

 

このStory Filmは、一度「美形が次々に惨殺されるMV」としてプチバズが巻き起こり、本当に感謝感謝。しかしながら、あと一歩一大バズには届かず、ファンとしての力不足を痛感しました。

 

そして読んで字のごとく、超特急メンバーが扮する青年らが遠慮なく殺されていきます。「中高生に人気!」とよく言われる超特急とは思えないほど、普通に容赦の無い描写が連続し、自主規制(自己判断での視聴推奨)が設けられているほど。映倫で言えばPG12にはなりそう。ライチ★光クラブ好きとしてはたまらん作品だったわけですが、当時の彼らにあそこまで遠慮ない演出を行ったのはすごい。

 

ここまで読んで早速観たくなった方がもしいれば、ぜひ下記よりご覧ください。

 

スターダストチャンネル - Beautiful Chacer Music Story Filmフルバージョン

 スタダの男女のコンテンツがモリモリ観られる有料サイトでなぜか無料で観られるのでぜひ。

  

物語の簡単なあらすじとしては、

廃墟のような寂れた事務所で静かに眠る7人の探偵。先に目を覚ましたカイが事務所内を歩いていると、突然大きな音を立てて真っ白のワンピースを血に染めた少女が息を切らし入ってくる。そのまま気を失う少女にカイは駆け寄り、ほかの6人がいる場所へと運んで介抱する。次第に目を覚ますメンバーは、少女の怯え切った様子を見て、安心させるために7人で遊び始める。落ち着いてきた少女は彼らに混ざり、一緒にペンキを塗ったり、屋上でシャボン玉をしたり、徐々に心を開いた様子。しかし、屋上から見えたとある車に気づき、再び動揺を始める少女。彼女の様子を見て「追われている」と察した彼らは、覆面を被った彼女を狙う男たちと戦う準備を始めるが……

という、やさしめのアクションスリラーという感じです。ナタリーさんでは「ハードバイオレンスアクション」と書かれています。アクションであり、サイコスリラーぽさもある……。(たぶん)

 

 

以下プチネタバレ注意。

 

 

このストーリーフィルムの個人的に好きなポイントは、

 

  1. 全体的に彩度の低い、幸福感を全く感じない色彩
  2. セリフに重きをおかない、演技・演出命の脚本
  3. 遠慮ゼロの戦闘シーン
  4. いわゆる「メリバ」
  5. 物語は終わらない

 

の5つです(そりゃほかにも細かいとこ言い始めたら無限にありますが)。

なお、当ブログは著作権全力クリアをモットーとしており、場面写真が貼れません。文字ばかりで大変恐縮ですがどうぞよろしくお願いします。

 

 

以下しっかりネタバレがあります!

 

 

1.全体的に彩度の低い、幸福感を全く感じない色彩

 

かなりしっかり彩度が落とされ、くすんだ色合いが初見から不穏な空気を視聴者に察知させていて好きです。ちょっと内部的な話ですが、超特急にはイメージカラーがあり、これまでのMVはもっぱらその色をふんだんに使った鮮やかなものが多く、そういった意味では彼らの雰囲気とは非常に対照的で、ファンだと一層「ヤバい空気」を強く感じてしまうわけです。

 

物語は基本的に全然明るくない、ひたすら重いストーリーですが、メンバーがペンキやシャボン玉を使って遊ぶシーンは、彼らも少女も笑顔で幸せそうにしているんですよね。しかしそんな楽しい時間をかりそめの幸福だと感じさせてしまうような色彩使いが、個人的にはたまらなく好きなのです。

natalie.mu


あと余談レベルですが、廃れた廃墟をペンキで染める時、そんな空気を断ち切らんとばかりに真っ白のペンキを使うのもまたグッときます。

 

ここで気になった方用にリンクを再度貼ります。

スターダストチャンネル - Beautiful Chacer Music Story Filmフルバージョン

 

 

2.セリフに重きをおかない、演技・演出命の脚本

 

多少のセリフはありますが、物語に大きく関わるようなフレーズは一切なく、基本的には彼らの表情や叫び声、演出そのもので魅せていきます。

 

少女の表情から追われていることを感じさせ、メンバーの表情で少女を守るという決意を表し、さらに、最後のカイくんと覆面の戦闘シーンはこれまでくすんだ色合いで包まれた画面が、センター・ユーキくんのイメージカラーである真っ赤に染まり、我を忘れたカイくんの狂気を表現しています。

natalie.mu


これをまだまだ役者業が少なかった当時の彼らにやらせてしまう監督、超特急をあまりにもわかりすぎている。超特急は演技が上手いんですよ。本当に。

 

ここで気になった方用にリンクを再々度貼ります。

スターダストチャンネル - Beautiful Chacer Music Story Filmフルバージョン

 

 

3.遠慮ゼロの戦闘シーン

 

冒頭から繰り返した「リョナ」とはまさにこのシーン。

少女を守るために逃げる準備を始めるや否や、ひとり飛び出したユースケが、ふいに現れた覆面男に釘バットで思いっきりぶん殴られるところからそんな問題のシーンは開始します。個人的には、推しであり誰よりも体格が良いユースケがそんなあっけなくやられるのは納得いかないと思う反面、たしかにユースケは手を出すようなタイプじゃないよな… と思ってやっぱり解釈一致しました。
覆面にバットで殴られたユースケが、あまりの勢いに壁際まで吹っ飛ばされるところから、どんだけ強く殴られたかが感じられます。その後、真っ赤になった手で一度壁を撫でるように起き上がろうとする姿に胸がギュッとなります……。
そしてこのシーンさすがだと感じるのが、顔を殴られているので殴られた顔は映さないんですよね。顔の左側をやられているため、最後に映るのは右側です。

 

全員のやられ方紹介してくのもネタバレすぎるので、個人的にグッときたメンバーをあと2人。
重たい照明機材のようなもので殴るも、全く効いている様子のない覆面からナイフで返り討ちに遭うコーイチ。彼はボーカルなのですが、ナイフで切り裂かれるのはなんと「」。故意かたまたまかは定かではありませんが、深読みオタクなので「ハ〜〜〜〜」と感嘆の声を漏らしてしまいました。ちなみにコーイチくんが殴られたガラス瓶は飴細工だそうで、「全然痛くないねん」と何かで言っていました。

 

そしてもうひとり、子役時代から様々な作品に出演し、超特急内でも役者業が盛んな高い演技力を誇るタクヤくん。彼は覆面に仰向けで押さえつけられ、長めのナイフで腹部を繰り返し…… という感じです。
メンバーきってのベビーフェイスのタクヤくんが、そのかわいらしい出で立ちから放つ非常に苦しそうな表情は見事としか言いようがありません。始めは抵抗を見せている表情も、ゆっくりと無に近づいていく様子に「タ、タクちゃ〜〜〜〜〜ん泣泣泣」になります。

 

あとこれも余談レベルですが、前半で顔や服をペンキの白に染めた彼らが、戦闘で今度は血の赤に染めていくのが対照になっているようで好きですね。

 

ここで気になった方用にリンクを再々々度貼ります。

スターダストチャンネル - Beautiful Chacer Music Story Filmフルバージョン

 

 

4.いわゆる「メリバ」

 

普通にネタバレしてしまって申し訳ない。そしてこれは完全に個人的な解釈です。事務所内で順に殺されていく彼らですが、少女を最初に見つけたカイだけがかろうじて連れ去られた彼女を追い外へと飛び出します。しかし、車内から足を撃たれ、動かぬ足をどうにか引きずり覆面らのアジトらしき場所へと到着するも、敵の奥に見えるのはガレキに埋もれ動かなくなった少女の手。最後の力で覆面らを手にかけ、少女の冷たくなった手をつかもうと腕を伸ばすも直前で息を引き取る… という本当観る人次第過ぎるエンド。

 

 当時いまのように8号車*1との交流がなく、8号車のみなさんの最高考察をたくさん見ていないのが本当に悔やまれるのですが、いろいろと考察が飛び交ったこと自体は認識しております。例えば「カイくんだけループしてる」とか。超特急はまどか★マギカなのでループ説確かにあるな〜 と思っています。

natalie.mu


全員命落としてるしバドエンじゃん、と思うわたしももちろんいますが、でも女の子含めてみんな同じ場所に行ったんだからそれはメリバでしょうが…… というわたしもおり、ここは完全に観る方の判断に委ねられる部分だと思います。

 

ここで気になった方用にリンクを再々々々度貼ります。

スターダストチャンネル - Beautiful Chacer Music Story Filmフルバージョン

 

 

5.物語は終わらない

 

超特急はここで終わるタマじゃあねえのですよ。
Beautiful ChaserのStory Filmには、実質続きがあります。8号車を狂わせた最強の設定、「輪廻転生」です。

 

1stアルバム「RING」輪廻転生
10thシングル「Beautiful Chaser」=七つの大罪
2ndアルバム「Dramatic Seven」=生まれ変わり

 

以上のように、それぞれの作品のコンセプトを交錯させ、Dramatic Sevenのリード曲、「Seventh Heaven」でBeautiful Chaserのその後が描かれています。とはいえ、それぞれの作品は独立しているので、ネット記事などを読むことで話が繋がっていることに気づく、という演出です。クゥッ…… 粋だね……。

 


超特急「Seventh Heaven」MUSIC VIDEO

 

Seventh Heavenは、Beautiful Chaserで死んでしまった彼らが、七つの大罪それぞれに対応する動物に生まれ変わり、自分を救った愛する人を探して砂漠を彷徨う、というようなストーリー。この曲は超特急楽曲内でも5本の指に入るようなクセの強い一曲になっており、1番では重厚なバラードだったのが、突然転調し、軽快なテクノに変貌します。こういう変なことを違和感なくやってしまうのが超特急。

 

ちなみに、このDramatic Sevenでは1〜7号車それぞれのモチーフ曲が作られ、Seventh Heavenを含む全ての新録曲は「愛」がテーマになっています。
個人的には、超特急のライブアンセムのひとつである、「2次元愛」がテーマの3号車リョウガくんモチーフ曲「超えてアバンチュール」と、Seventh Heaven同様転調があり、これもクセ強曲である、1号車コーイチくんモチーフの「ライオンライフ」が手軽に狂えておすすめです。

 

輪廻転生モノ好きな方、要チェケ。

 

さすがにもう観たくなってきませんか? リンクをどうぞ。

スターダストチャンネル - Beautiful Chacer Music Story Filmフルバージョン

 

 

 

そして、本作でメガホンをとったのは、映画監督の内藤瑛亮さん。
映画好きの方なら、序盤で出たとある作品名とリンクしたのではないでしょうか? 内藤監督は、2016年公開の映画『ライチ★光クラブ』で監督を担当されています。お恥ずかしながら、わたしもこの記事を書いているなかで知りました。
ライチのほか、代表作として『先生を流産させる会』(2011年)『ミスミソウ』(2018年)などなど、人間の心の暗い部分を膨らませたサイコホラー系の作品を多く監督されている、まさにその道のプロ。

 

www.youtube.com


ちなみにこの作品は、実際にあった事件を題材に、学校で起こった事件を描いています。予告編のみの視聴ですが、無邪気な少女たちが、その年齢ならではの発想で先生を陥れようとする様子はなかなかに狂気的です。気になる方はぜひ。

 

 

 

というわけで、わたしが超特急作品のなかでも1,2を争うほど好きなBeautiful Chaser Music Story Filmについて思う存分語らせていただきました。ご覧になりたくなりましたか? わかりました。もう一度リンクを貼っておきます。


スターダストチャンネル - Beautiful Chacer Music Story Filmフルバージョン


もういままで100万回くらい訴えてきましたが、超特急狂気的・猟奇的な演技も絶対ハマると思うので、超特急のサイコパス役見てみたい。超特急の好青年ぶりに爽やかな役柄ばかりが回ってきてニコニコしちゃうけど、そろそろ一発観る人選ぶような作品に出るのもアリかと。個人的には『アンダー・ユア・ベッド』くらい思い切った作品でもいいかもしれない。いやでもちょっと覚悟はほしいかもしれない。
あとは、もう少し歳を重ねていったら、結婚して時間が経ってしまって、お互い好きの気持ちはあるんだけども、愛情…、愛情か…… みたいになった感じの大人な映画の主演も欲しい。5000兆円より超特急のサイコパス役の方が欲しい。

 

というわけで、赤く染まる超特急をぜひお楽しみください。

 

 

 

 〈Beautiful ChaserのCD購入はこちら〉

ちなみに収録曲は以下のような感じ。

01.Beautiful Chaser(共通)
02.HOPE STEP JUMP(共通/映画『サイドライン』主題歌)
03.fanfare(Aのみ)
03.One/O Signal(Bのみ)

Aの「fanfare」は超特急史上1、2を争う大名曲。誰が聞いてもハマりそうな爽やかなナンバー。Bの「One/O signal(ワンオーシグナル)」は、個人的にガチ推しソング。かなり独特なメロディで、細かくボーカルが入れ替わって歌うサビが面白い。ロックっぽいしEDM系っぽいし、K-POPっぽさもある。

 

Beautiful Chaser(A)

Beautiful Chaser(A)

 
Beautiful Chaser(B)

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Asayake

Asayake

  • アーティスト:超特急
  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: CD
 

最新曲もチェケラ。 

 

 

 

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*1:ファン名

【Part3】音楽で読み解く超特急【ボーカル・ダンサー編】

 

 


超特急「Asayake」MUSIC VIDEO

 

 

みなさんこんにちは。さとうです。
おかげさまで最終編のPart3になります!

今回は、「超特急のボーカル」「超特急のダンサー」にそれぞれフィーチャーして語っていただきつつわたしも語らせていただきました。
数ある魅力を構成する土台である、彼らの「技術」をオタク目線でお話します!

 

▼経緯+超特急の楽曲全体についてを語ったPart1

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▼わたしの好きな曲について語ってもらったPart2

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※ガチガチの専門用語が多用されているため、一個一個に超簡単に説明した注釈をつけております。そのため文章がゴチャゴチャしていたりもするのですがご了承ください。
また、内容はすべて「個人的感想」「オタクの一意見」ということをご理解ください。

 

 

 

 

 

黒と白の「ボーカル」について語る

1.2人の“声の帯域”がもたらす強み

em「超特急のボーカルの声の帯域が異なる、って話してもいいですか?」
さとう「とてもお願いします」
emコーイチとタカシは、2人それぞれ帯域が違っていて、こういう感じ(以下図)になっています。音が溶け合う”=ひとりの声に聞こえる”っていうのはまさにその通りです。加えて、コーイチは、なんでもいける幅広い波長だけど実はそんなにどこかの帯域に強い芯があるとかでなくて、オーダーされた曲のメイン帯域に対して芯を持たせられるタイプ。一方タカシは、MID-HIGHに強い芯があるため包括的*1というわけではない、という絶妙にお互いの特性を組み合わせてますね」

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さとう「ッハ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!(「音が溶け合う」を図解され感嘆の声しか出ないさとう) あ、でも意外でした! わたしコーイチの方が高いと思ってた」
em「調子良い時のコーイチの振り幅がエグい。ほぼ全域いけちゃうから怖いんですよこの人。タカシは、通常はMID-HIGHからそれ以上の帯域がメインなんですけど、2019年以降はMID-LOWも含めた低めの帯域もカバーできるようになっています」
さとう「無敵ってことですね」
em「無敵ってことです。厳密にいうと、HIGHとMIDの間ってMID-HIGHって言って、MIDとLOWの間をMID-LOWって言います。マジのLOWは人間の声では出せないし人間の耳では聞こえないんですけど。図で言うと絶妙にそれぞれが得意とする帯域がズレているため、2人がシンクロした時のMIDは最強ってわけです。

超特急すごいな〜って思うポイントの話なのですが、例えば複数人でハモると、声が混ざりまくっちゃってもう個性とか消えちゃうんですよ。逆に複数人でもそれぞれの個性が見える場合、相当良いミキシングエンジニアがいるか、それぞれの帯域や音色が違うから聞き分けられる状態と言えますね。
さらに、複数人が歌うということは、バックトラックで用いる楽器も含めるとあらゆる帯域や音色が発生するので、歌声を立てるとその帯域から外れたドラムの音はどうなっちゃうの? とかシンセの音はどうなっちゃうの? という感じで、楽器の音を犠牲にしてボーカルの帯域を中心に音を作らないといけなくなるんです。よって、メインメロディやボーカルだけが聞こえて、いくら優れた演奏でもバックトラックがあまり印象に残らない、というようなことになってしまうことが多いんです。これは仕方ないことで、声の帯域がバラバラな人たちをまとめ上げて、ひとつのシロモノにしようとするとこうならざるを得ないんです。

ここでようやく超特急の話に戻るんですけど、もちろん多少の差はあるものの、先ほど説明した2人の声が重なるMIDの部分があることで、楽器の音を犠牲にしなくて済むんですよ。本当、最初にコーイチとタカシで組ませた人が、そういう音像になることを見据えていたんじゃないかと思います*2。バックトラックの音がしっかり聞こえると、楽曲ごとに「曲調が違う」のがわかるようになるので、ジャンルに幅を持たせることができます」
さとう「なるほど……」
em「ちなみに、タカシが2019年以降(emさん曰くEUPHORIAによって)劇的に低い音まで、さらには高い方の音も出せるようになっているので、もう曲作る人にとってはありがたいですよね。いくらでも遊べるので。Revival Loveとかあのへんはすごいですよ。Revival Loveの『シャクじゃな〜い』やその直後の『イエ〜〜〜』のあの高音の出し方はタカシの声の出し方が上手くなったからできること」
さとう「Revival Loveはタカシの魅力が全部詰まっていますよねこちらもどうぞ)。彼の歌声とはどんなものかがわかるというか。タカシはgr8est journeyとかOVER DRIVEというような、定番J-POPがすごくハマりやすいと思ってまして。というのもあってRevival Loveは相性抜群だったと思っているんですけど」
em「ほんとそう」
さとう「ほんとそう」

 

2.「コーイチの曲」「タカシの曲」

さとう「Part1や2でも“〜の曲”の話をしてきましたが、これまでの話を伺うとますますそれが顕著になってきますね」
em「コーイチの曲、タカシの曲は知ってる範囲であれば一発で思いつくので列挙します。『この曲ないじゃん!』というご意見は、わたしが現在未履修だからです。ごめんなさい。
ざっくり分けると『身体的・衝動的な表現が強いのがコーイチの曲』、『機械的またはスクエア*3なグルーヴ・心象風景重視(エモさがでかいやつ)が強いのがタカシの曲』になっていきますね。コーイチはクラブとしての現場でウケる音がマッチしてて、タカシはコンサートと表現される現場になるほどハマる。なんで、こんなとこでも真逆になるの???

【コーイチの曲】

  • DJ Dominator
  • STYLE
  • Beautiful Chaser
  • LIBIDO
  • 超えてアバンチュール
  • バッタマン
  • ライオンライフ
  • Seventh Heaven
  • One/O signal
  • Turn up
  • Love Again

 

【タカシの曲】

  • a kind of love
  • Body Rock
  • Hey Hey Hey
  • gr8est journey
  • Revival Love
  • サヨナラは雪の後で
  • ソレイユ
  • On&On
  • Don’t Stop 恋
  • Party Maker
  • Play Back
  • Pani Pani
  • PUMP ME UP
  • Booster
  • 霖雨 

 

さとう「なるほど……。“タカシの曲”でよくオタクのなかで話題になるのは、ほかにFeel the Lightがありますね。リリース当時はUNKNOWN…のアンサーソングのようだ、なんて言われてました。霖雨と並んで、6人だからこそできたような、喪失感漂う切ないバラード」

 

 

 

「ダンサー」が彩るステージについて語る

1.ダンサー陣のえげつないほどの音への理解

さとう「『史上初のメインダンサー&バックボーカル』として独自の色を持つ超特急ですが、emさんはダンスについての知識はいかがですか? わたしは皆無です」
em「ダンス界隈の知識は皆無ですが、クラブミュージックは自由に踊る音楽なので、そこで言えることを。わたしはクラブでドカスカ踊るタイプなので、カウントや乗り方は理解しています。テクニックなどの細かな名称はわからないのですが、今回のお話にあたりいろいろググったことも踏まえさせてください。

まず超特急は、魅せるダンスのためのカウント(拍の取り方)ではなくて、音楽としてグルーヴ*4を認識できてるダンスが土台だと思います。コーイチがそこのノリを素でできてるのがもうすでにヤバいのですが。それを踏まえてダンスをメインにするのはすごい。J-POPにおけるダンスって『ボーカルの添え物』や『曲のグルーヴ理解がない人に、いきなりカウント取らせて踊らせるパターン多くね?』と思ってた概念を覆してくれて、もはや感謝。楽曲ごとのグルーヴがある形で、ダンスをメインに魅せる試みは非常に面白いです。

クラブでおのおの自由にダンスする際のポイントとして、なにを汲み取って踊るのか、というのを分解すると『メインメロディ』『メインのビートおよびグルーヴ』『各クラブミュージックが持つ特有のタメと伸ばし』です。
ですが、超特急はそれらに加えて「歌詞の世界観」「裏拍*5」「その曲ならではのシンコペーション(メロディのパターンを変えて遊びを加えること)的な遊びの拍、タメ」も全部できてるんですよ。
ダンサーは曲に合わせて踊るもの”、というのはそれはそうなんですが、超特急はその曲への理解力がえげつない。TEFB横アリの、ターンテーブリズム(簡単に言うとDJが作り出すメロディ。そのレコードが持つ音色をサンプル(標本)として採取するかのように、スクラッチという技法でピアノやギターのような他の楽器のように、特定の音色を扱うこと)に合わせてバッチリ踊ってるパート*6は、めちゃくちゃよかったです……」
さとう「超特急のワンマンの魅力は、そういう『ダンサーのみ』『ボーカルのみ』と、一時的に切り離したパフォーマンスが見られることですよね。個性的なダンスとしてもよく取り上げられていますが、そういう印象が強い人、本当にいっぺんワンマン来てほしい」
em「個人的に超特急に狂ったきっかけである、Hey Hey HeyのMVがそのターンテーブリズムについて非常に顕著なんですが、『曲の世界観、グルーヴ、タメ、基本のビート』を絶妙に混ぜ合わせた振り付けで、感嘆しかありません。


超特急「Hey Hey Hey」MUSIC VIDEO


コレオグラファーがどの曲も天才なのですが、おそらくコレオグラファーによる超特急への『この曲の世界観はこういうもの、あなたはこの目線で見てるけど本当はどう?、ここのパートは感情表現を自由にやってもらうけど、あなたはどういう感情で踊る?、この音楽はこういうタメと振りだけど、どうやって全身を揺らすの?』といった問いかけ方がえげつない。体の踊りが揃ってるけど、個性が違うのはそこに出てるんじゃないかなと」
さとう「8号車のみなさ〜〜〜〜〜〜ん!!!!!! 『揃ってるのに個性が出てる』のアンサーとしてひとつの見解が得られましたよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
em「あと、個人的にダンスだけで見るとneed youが本当に素晴らしいですね……。これだけで一記事書けるぐらい良い。need you、普段の自分なら敬遠してしまう音を使ったR&Bなんですけど、超特急がダンスを通して見てる世界が、ファンに踊りを見せるために向けた目線ではなく、音楽とダンスそのものへ没入した結果、ファンが見る動きなんですよね。それが最高です。無我になった状態の踊りは美しい。ほんとこれダンスver良すぎる」


超特急「need you(Dance ver.)」MUSIC VIDEO

 

2.Bambiさんと超特急の相性

em「ちなみに『超ネバギバDANCE 』の『野を超え〜』のあの手の振り付け、あれは『ヴォーグ』です。ヴォーグ*7って簡単に言うとAyabambi*8のやってる手数の多いダンスなんですが、あれドラァグクイーンやLGBTQ寄りのクラスタ発祥の踊りでして。実際はもう少し下半身も使う動きですが、手の細やかさ的にはヴォーグと言っていいと思います。1990年代初頭で流行った、マドンナの『ヴォーギング』をアップデートしたバージョンというか。わたし、ここのリョウガさんがやるヴォーグで超特急に堕ちたんですよね……。あれ観たあとでNYLONの周年パーティに、超特急と仲万美さんが同じ箱にいるのは『そらそうよ』ってなって怖かった。NYLONのセンスが良すぎる」
さとう「Bambiさんとの出会いはギラギラ超特急*9*10なんですけど、そこからEUPHORIA*11でBambiさんが振り付けしてくれたんですよ。先ほどのヴォーギングを観ていてよくわかりましたが、まさしくそうですね。超特急ってしなやかな振りが抜群に上手くて、特にユーキさんとかリョウガさんはこういう、なんともジェンダーフリーな色気を感じる艶っぽいような振りがよく似合うというか……。1曲まるまるBambiさんに振り付けしてほしいんですよ〜〜〜」
em「Bambiさんは経歴的に、尋常じゃないほど女性らしさが出せる人なので、それをできてしまう超特急ヤバいな……。それで思い出しましたが、初乗車*12リョウガさんは全体の調整役の踊り方してるな〜って思って。カウントピッタリだからかな?」
さとう「そうですね! リョウガさんはカウントの鬼です。リョウガさんとユースケがジャスト。カイくんとユーキさんが早取り気味でタクちゃんだけ遅取り」
emそれな〜……。だからタクヤは裏でグルーヴ取るハウス(ファッションショーで流れているような音楽。定義が様々あるので「こう!」とは言えないが似合うのよ……。それぞれの踊りの個性をクラブミュージックのジャンルイメージで分けると、カイはEDMとK-POPリョウガは音楽ジャンルとしてのヴォーグ*13ドラムンベース電子音楽の一種で、重低音やシンセサイザーを用いたメロディが特徴)など速い系、タクヤは先述のハウスとR&B*14、ユーキはトランスと(ブレイクダンスを伴う方面の)ヒップホップ、ユースケは映像見る限りスクエア*15な踊りなので、タイトなファンクやブルーアイドソウル*16が似合うかと

 

3.黒白ボーカル×カラフルなダンサー

em「先ほどターンテーブリズムの話をしましたが、超特急の曲を聴いていると、例えばクラブでわたしが超特急の曲を聴いて、それに合わせて腕を上げて踊ったりしているとして、その動きがまんま振りになっていたりするんですよ。それがすごいなっていうか、怖いなって。音楽を本当にちゃんとやってる人しかできない振り付けですね。
そもそも、ターンテーブリズムで踊れるってすごいんです。スクラッチって引き、タメ、フェイクでできているので、それが理解できていないと踊れない。彼らがコーイチの歌で踊れるのはそういうこと(それらのギミックを理解していること)だと思います」
さとう「ちょっと余談なんですけど、Kiss Me Babyの2B、『優しくできるうち手に入れたいのに』の『に〜』のあとにコーイチが『イエッ』とフェイクを入れるのが名物だったんですね。もうコーイチがフェイク入れると8号車『出るぞ出るぞ、ギャ〜〜〜!!!』みたいな。で、なにがすごいって、コーイチって歌いながら踊ってるんですけど、ペアになって踊るのがユーキさんでして」
em「ファー!! いちご*17〜〜〜〜〜〜〜🍓」
さとう「そしたら、コーイチの見せ場になりかけたころに、ユーキさんがそのフェイクに合わせて振り変えるようになったんですよ!!!」
em「最高です……。まさにそう。それができるってのは踊りが上手いってこと。
で、超特急のダンスはすごいすごいと言っている理由のひとつなんですけど、Don't Stop 恋の振りって“振り付けありきの振り付け”じゃないですか。というのも、曲のリズムとかじゃなくて、歌詞や世界観に倣った振り付けになっていると思っていまして。それはもうシナリオが事前にあるので、それを踏襲すればOK。
一方、Kiss Me Babyは(コーイチが)アドリブで歌っていて、毎回どんなフェイクになるのかわからないというのに対して、ユーキが踊るってのはちゃんと音聴いて理解していないとできないと思うんですよ。これらが全部できてるってのがすごい。世界観に合わせた振りの見せ方と、自発的に出るグルーヴが共にできるってのがえげつない」


 

これからの超特急について思うこと

さとう「今後、彼らがこんなことしたら面白そうだな、という妄想とかあればぜひお聞かせください。音楽じゃない面でも!」
em「音楽面と、そうでない面、両方で妄想を書かせてくださいませ。

【音楽面】
クラブミュージックでアングラと言われている人たち、もしくはもうクラブ界隈ではオーバーグラウンドだけど実際の層としてはマイナーな人と組む、的な。個人的に具体的なジャンル名で挙げていくと、Jesusでやってたワンフレーズみたいに、バラード、ジャズ寄りの解釈でジュークBPMを変えながら独特のリズムを奏でるダンスミュージック)やって欲しい。それでダンスメンバーもフットワーク(ジュークの音に合わせ、高速で足を動かすダンスジャンル)やったら完全にヤバい。端的に言うと、ジャズのグルーヴやってみて欲しいっていう妄想です。

【音楽以外の面】
リョウガさん筆頭に声優チャレンジやりましょう(真顔)。FAKE MOTIONと目撃家電で花江夏樹さんと組んでるので、ガリゲーchで花江さんオンライン経由ゲスト回とかやって欲しさもあります。
あと、ももクロちゃんみたいに好きなゲームやお題ゲームをリアルタイムでやって、Pringで投げ銭とか! それぞれがどんなゲーム選ぶかも気になります。タクヤさん限定で言うと、ギター弾き練習を見たいですね。使うのはセミアコースティックギターだと最高」

 

 

 

おわりに

そんなこんなマジでわたしが楽しいだけの謎の記事を書いてしまいました。お騒がせしました。これ考えている時に「ああーーーそれ!!!」とemさんと心で固く握手(握心)したのが、「超特急についている『ゆーてただのアイドルでしょ』というレッテルを剥がしたい」ということ。顔が良い男=実力が無い、という歪んだ方程式に悩まされるグループは彼らに限った話ではないですが、スターダストよろしく「実力がある、それだけじゃない」このあふれんばかりの魅力を、もっといろんな層に知ってほしいんですよね。この記事がどうか、新たな層を開拓していくきっかけになっていきますように! デッケ~野望!

 

 

 

▼ご協力いただいた方

em(@em_meow
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【発売情報】

▼single 「Asayake」

Asayake

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  • アーティスト:超特急
  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: CD
 

「Asayake」 | 超特急

個人的にジャケ写がすごい好き

 

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▼推しの6号車ユースケくんをそこそこ詳しく紹介しています

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▼超特急への“はじめてのかきん”へのアシスト記事です

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*1:ここでは「どんな帯域でもいける」のような意味

*2:emさん「宮井さんの思惑ですかね……」

*3:正確

*4:いわゆる「ノリ」

*5:クラブ行く人でも取る人はいますが

*6:ダンサーパート

*7:ちなみにファッション誌「VOGUE」のモデルのポーズに振りの形が似ていることからこの名前

*8:椎名林檎やマドンナのバックダンサーを務める世界的女性ダンスユニット

*9:以前配信されていた超特急の冠バラエティ

*10:正確にはNYLONでの特集がBambiさんとの初交流

*11:レーザーパフォーマンスに入る前のパート

*12:1/3の「Revolución viva」

*13:上記のヴォーグはダンスのジャンルであり、音楽のヴォーグとは別物

*14:「霖雨でソロで踊るという構成は天才」とのこと

*15:お手本通り、基本を踏襲した真面目な踊り方

*16:白人発祥のソウル

*17:コーイチとユーキのペア名。「いち号車」と「ご号車」から

【Part2】音楽で読み解く超特急【各楽曲編】

 


「On & On」ARENA TOUR 2019-2020 Revolución viva @Yoyogi

 

 

みなさんこんにちは。さとうです。
懲りずにPart2失礼いたします。

今回は、一曲一曲に焦点を当て、めっちゃ専門的に魅力を語っていただきました。看板曲の紹介はPart1にギュッと詰まっているのでそちらをチェック!
ピックアップタイトルを見てもろもろ察してくださいね*1

 

▼経緯+超特急の楽曲全体についてを語ったPart1

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※ガチガチの専門用語が多用されているため、一個一個に超簡単に説明した注釈をつけております。そのため文章がゴチャゴチャしていたりもするのですがご了承ください。
また、内容はすべて「個人的感想」「オタクの一意見」ということをご理解ください。

 

 

 

 

 

私利私欲でわたしが好きな曲についてたくさん聴取する

インタビュアーの特権を振りかざします。
わたしの好きな曲についてはこちらのプレイリストをご覧ください。

 

 

すでに8号車の方はこれを見ればわたしの曲の趣味のおおよその傾向が掴めるかと思います。ザックリ説明すると、とにかくEDMでタコ殴り系、ファンク、R&B、ジャズ、とかそういうぶっちゃけ「超特急らしさ」があんまり無いやつ。一般(8号車の過半数、みたいな意味で)的に「超特急らしい」のはKiss Me Babyくらいですね。

 

 

 

One/O signal

さとう「わたしこれイントロだけ一生聞いてられます」
em「ああこれか。One/O signalって全体的に四つ打ち(後ろで鳴ってる「ドン・ドン・ドン・ドン」というバスドラムの音)のリズム使ってるんですけど、メインのメロディの感じとかはハードロックマナー(マナー=そのジャンルのフォーマット、定番のスタイル)の音使いで。あ〜この部分(サビのコーイチとタカシが上がり下がりを交互に歌う箇所)どっかで聞いたことあるんだよな〜! この転調(関連する音によってグルーピングされた音組織=調を変えることしながら進む感じなんですけど…… いわゆる“芝居がかった感じ”というか」
さとう「お、鋭い」
em「この曲Beautiful Chaser好きな人は好きだと思いますよ。わたしはこういう転調のある曲を聴くと、V系とかそういう“世界観系”の曲判定をしがちなんです。あ〜なんだっけこれ! 例えばQueenの『ボヘミアン・ラプソディ』とか。映像のイメージだと軍隊の行進とかやってそう」
さとう「この曲、初披露が2014年の『聖なる一夜』*2なんですけど、この時は“なんらかの力によってメンバーがちっちゃくなっちゃった!”というようなテーマで、普段なら大したことない家のなかの出来事も、例えばボールが転がるとか、そういうのに慌てる、みたいなわりと可愛らしい系の曲なんですよね。それが翌年の『Fantasy Love Train』*3では、もう完全にダンスに振り切ってクール系のステージになったり、かなりいろんな表情のある曲なんです」
em「あ〜それだとすごい納得いきます。さっき言った“芝居がかった”っていう感じとかは『くるみ割り人形』っぽいなって。音楽としてではなく、お話としてのくるみ割り人形。なんかこう、お人形っぽい感じ
さとう「はいはいはいはい、まさにそんな感じです」
em「なのでわたしはV系っぽいって言ったんですよね。マリスミゼル*4とか好きな人は好きそうな感じ! 特にあの上げ下げの部分はV系とかが多用する感じかなっていう。ああ思い出した!!! 『グラディウスⅢ』(横スクロールのシューティングゲームシリーズ第三弾)だ!!! グラディウスⅢの岩ステージ」
さとう「(聞かせてもらう)あああまさに!!!笑」
em「そういう面ではゲームミュージックっぽいというか、やっぱり“ストーリー性”ありきな感じの曲。この曲ひとつのジャンルでは表現できないですね。ドラマチックな展開はクラシックを思わせるし、転調の多用はプログレッシブ・ロック(イギリス発祥の、変拍子や転調を多用した前衛的なロック)っぽい。プログレ要素にK-POP調を混ぜたJ-POPと言えます」
さとう「なるほど……」

 

 

 

Turn up

さとう「先日ヤバいとおっしゃっていましたが*5、Turn upはいかがでしょう?」
em「もう本当ヤバすぎます。これゴリッゴリのクラブトラック。明るいトラップ(ヒップホップのサブジャンルの一種で、中毒性の高いメロディなどが特徴)という感じです。トラップって本当は暗い感じの曲なんですけど、それを明るい曲調にしています。あと、『Turn up Turn up』って連呼する箇所、歌モノ(普通に歌がある曲)以外は、歌詞がとても少ない分、曲タイトルを歌詞に盛り込むのがベターです。そうじゃない場合も増えてはいるんですけど、結構曲タイトル名=サビの歌詞という方程式はあると考えています。それに、グリッチヴォコーダー(ともにいわゆる「エフェクト」と呼ばれる声への加工)を使用してるのもそうですね。あれってライブだとどうなるんですか?」
さとう「ライブだと本人の声の後ろで加工済みのボーカルの声が流れてます。そういう面でも、音源とはまた違う雰囲気の曲が聴けるのは生歌ならではですよね」
em「あ〜いいですね。それから、ワヴルベース(唸るようなベースサウンドのことを指し、Turn upでいうと1:49〜の間奏部分。メンバーが中央に集まり息ぴったりのダンスを披露する箇所)が使われてますよね。ワヴルベースっていうのはもともと治安の悪い音な感じで、ダブステップ(超ざっくり言うと、2ステップと呼ばれる、四つ打ちのような比較的ポピュラーなリズムにとらわれないメロディに、強い残響効果を加えた音楽)とワヴルベースを融合させてかっこいい音楽を作ってるのがスクリレックス*6です」
さとう「(再び聞かせてもらう)ああ〜〜〜〜〜!!!!!!」
emスクリレックス初めて聞いたときは本当にびっくりしましたが、いろんなジャンルでスタンダードになる音を作り出した一人として、やっぱすごい人なんやね、となりました」

www.youtube.com

Turn upが好きな人はぜひ聞いてみてほしい一曲。ほとんど歌唱は無く、ひたすら音がかっこいい。(サムネちょっと怖く見えるけど全然無邪気なMVです)



  

DJ Dominator

さとう「この曲の生バンドver聞かれました?」
em「これはどうすれば聞けますか?」
さとう「Synchronismの~Body & Groovin’~公演こちらを買ってください」
em「クッ」
さとう「それではこちらを観て(聞いて)ください……*7
em「あ~~~~~久保田利伸。以上」
さとう「ありがとうございました」
em「いやでも本当にこれは久保田利伸。そう表現するのが一番わかりやすい。サタデーナイトフィーバーとかああいう感じの黒人向けディスコです。ヒップホップとか、ABBA(70~80年代に活躍した、スウェーデンのポップミュージックグループ)とかのユーロディスコ(ヨーロッパ発のディスコ)が生まれる前の、黒人が作り上げた生バンドのディスコ=ニューヨークディスコのテンションなんですよ。これを日本人で一番きちんとやってるのわたし久保田利伸しか思い浮かばないんだよ~~!」
さとう「wwww」
em「めちゃくちゃブラックカルチャー*8です。ただ、タカシが歌うDJ DominatorのNew Mix*9は、生バンドに比べて黒さ(ブラックカルチャーっぽさ)が少なくて、白い(白人向けっぽい)んですよ。黒いグルーヴィー*10さがコーイチがいるバージョンの生バンドの音、という感じです。イメージカラー黒白にしたのってユーキさんでしたっけ? 天才かな?」
さとう「ホンッッッッットに……。えってかそれめっちゃすごい。わたしのブログで発信するのが申し訳ないです」
em「いえいえとんでもない…… コーイチの黒はブラックカルチャーの黒で、タカシの白は白人系(の音楽)の白で、音楽的には間違いない。Hey Hey Heyの話に繋がるんですが、Hey Hey Heyはタカシだからできる曲です。旦那とHey Hey Heyかっこよくね? っていう話をしていたら『それブルー・アイド・ソウルだよ』と言われまして。ようはブルーアイ=目が青い=白人がやるソウルというわけです。もともとR&Bとかソウルって黒人発の音楽なんですよ。あとはゴスペルとかも。そこで、作曲の形式とか言い回し、節回し(こぶしなど)、演奏方法を、白人だけのバンドでもやれないかな、ということで誕生したがブルー・アイド・ソウルです。肌の色でまとめて『ホワイトソウル』とも言うようですね。おおもとのR&Bとかソウルや、40~60年代のジャズって、初めは黒人が楽しんでいた音楽なんです。それが白人も自分たちで面白いことやれないかな~ってアプローチしたジャンルになります。そうなってくると、グルーヴが全ッッッ然違うんですよね」
さとう「ソウルでも、ブラックとホワイトで全く違うと」
em「全ッッッッッッッ然違う。どう違うかと言うと“ノリ”の話なので難しいんですけど、超特急の音楽理解する上ではすごい重要なので」
さとう「お願いします」
em「端的に言うと、上半身で踊るのがホワイト。で、ブラックミュージックは腰(=下半身)なんですよ。Body Rock(Body RockはR&B)とかは、まさに下半身を使った踊り方。ホワイト発祥のダンスの中でもシャッフルダンス*11など、足を使うダンスもあるのですが、要点としてはホワイト=手足などパーツに由来する動き、ブラック=腰や体幹を軸とする動きという違いです」
さとう「すげえ」
em「一方、Hey Hey Heyは、全体通して手の動きなどは非常にホワイトらしい部分で、エンディング手前のタクヤくんのあの動き(下腹部あたりに手を当てたまま、腰を回す動作)でようやくブラックっぽい振りが入ってきます。音のカウントの仕方として、動きの固さ(カチッカチッとハマる振り)が完全に白なんですよ。もし振りもブラックに寄ってたら、手をほとんど使わず腰や足だけで振りを作っていたと思います」
さとう「超特急結構曲によってゴリッゴリ下半身の振り!!! の時とゴリッゴリ手技の時があって、メンバー的には手はあんまやんないとは言っています。だから、あのインフルエンサーの振りコピ*12やった時も『普段俺ら全然手使わないのに!』と。本人らとしては、足とか腰とかの下半身の動作が多い認識みたいです」
em「なるほど。Hey Hey Heyのような振りができているのは、上半身ノリを理解しているコレオグラファー(振付師)がついているっていう証明になります。ちょっと話がズレますが、日本人って踊りの文化から見ると、基本的に手しか使わないことが多いんですよね。例えばパラパラとか盆踊りとか。すごく手先に集中して、また基本の型にこだわる感じ。『PUMP ME UP』も、曲としては日本のディスコなので。しかもユーロビート、ユーロトランスという欧風文化から来たものを日本向けにローカライズ*13した結果なので、あの曲の振りがパラパラなのはまさにという感じです」
さとう「たしかにほぼ手のみに振り切ったのは珍しい感じがしました」
em「いろいろ回り道した解釈垂れ流しでしたが、DJ Dominatorの生バンドの方は、もうコーイチが輝く曲です。もちろんタカシのNew Mixも素晴らしいのですが、やはりDJ Dominatorはゴリゴリのブラックミュージックなので…」
さとう「これはそれぞれの特性ですからね……」

 

 


Body Rock

さとう「Body Rockは間奏のチュルルルン♪ って音がめっちゃ好きなんですよ」
em「あれは2010年代中盤に使われているプラグイン(音楽ソフトの拡張機能の音としては非常によく聞く音ですね。多分トラック(音)を打ち込む際に使っているソフト(=DTM*14ソフト)の音なんじゃないかな~。最新のソフト使ってる証拠ですよ。あれ作曲ロマンス倶楽部でしたっけ?」
さとう「そうです(即答)」
em「ギャ〜…………。ロマンス倶楽部の面白いところは、すごいイマドキの機材の音使ってるのに、いきなり古いスタイルをブッ込んでくるところですね。本当、何者だよ! っていう」
さとう「Body Rockもそうなんですが、わたしみたいな音楽素人からしてみると、STYLEとかHey Hey Heyとか、言ったら『超特急っぽくない曲』という括りで聞いてしまってると自覚しています。でもその中でも、例えばSTYLEはコーイチっぽい、とか、Hey Hey Heyはタカシっぽいとか、きちんと2つにわかれるのが面白いなあと」
em「その話だと、『超特急っぽい』の話になってくるんですが、その『超特急っぽ“くない”』が、それこそ超特急の真骨頂だと思っていて。いままで超特急っぽくない曲を担っていたのはコーイチだったと思うんです。そうなると自然に超特急っぽくない曲=ブラックミュージックに傾いていきます。だから、コーイチがいないいま、たったひとりのボーカルとして奮闘するタカシの強みを徹底的に伸ばした超特急っぽくない曲って考えたら、ホワイトな感じになるのはすんごいわかる。『サヨナラは雪のあとで』とか『ソレイユ』は、タカシだからこそできた曲」
さとう「あれはもう松尾ソレイユですから!*15(笑)」
em「そうだwwwww 特にあの2つ感じはタカシにしかできないですよ。彼の話を聞いてると『平成生まれの昭和育ち令和大注目ボーカル』という感じで時空歪んでんな…(^^)ってなるんですけど、お兄ちゃんお姉ちゃんから教えてもらって昔の曲聞くのが好き、っていうのは、Hey Hey Heyをはじめとする日本人がやるソウル、ファンクの理解・知識の深さに繋がってると思っています。そういう日本人が持つ感性ならではのソウル・ファンク・R&Bができるっていうのがすごい。コーイチは日本人の振りした黒人(音楽として)なので」
さとう「wwww」
em「タカシは、極端に白人らしい音楽というわけではなく、逆に日本人です! という感じすらするのに、Body Rockなどのブラックミュージックのノリもできるからすごいすごいすごい」
さとう「すぐにブラックらしいノリをタカシもモノにしてしまうんだろうな〜とゾクゾクしてしまいます。本当にもう…… 毎回どの曲も『タカシすげえ』『コーイチすげえ』に落ち着いちゃいますよね」
em「本当はなぜそこに至ったかの話も結論出していきたいのに…… 『タカシすげえ』『コーイチすげえ』に辿り着いちゃう……」

 

 

 

SURVIVOR

さとう「結婚式の入場曲として利用する予定です」
em「え?」
さとう「真っ白のウェディングドレス着て床叩いて入場します」
em「ん?????」
さとう「これもともとovertureってライブが始まる前に流すためのBGMだったんですよね。だからクラップ音が入ってるんです」
em「(聴きながら)え、めっちゃかっこいい! あっこれか! ダンスロックですね。ドラム部分は四つ打ちの打ち込みで、それ以外はロックです」
さとう「アッッッッッxヅウヅヅdロックで思い出しましたこれ、EUPHORIA*16でタカシがギター弾いてカイくんがコーラス入れてたんですよ!!!!!!!!!!!(バカデカ大声)」
em「エッなにそれすごい! この曲、タカシの歌声よりもギターの方が前に出てる。全体的にロックな音としての曲なのかなって。すごくよく聞くタイプのロックなんですよ。tvk*17音楽缶*18でよく聞く感じのロック。ちなみにBeautiful Chaserもソッチ側です。オルタナティブ・ロック(前回「インダストリアル・ロック」と表現していましたが、Beautiful Chaserはひとつのジャンルに絞れないとのこと)です。ナイン・インチ・ネイルズアメリカのインダストリアル・ロックバンド)です完全に。この曲で好きなのはニュルニュル入ってくるシンセサイザー。すごくセンスを感じます。これ聴き方にもよるんですが、音色としてはダンスロックである一方、半拍のパートとか音の使い方がK-POPだと思います。K-POPの曲の構造を使っていながら、音色はダンスロック。同ジャンルで言うとKiss Me Babyが天才なんですけどね……。この曲の魅力は、ダンスロックとかギター音楽ではあまり使われないシンセサイザーの音を盛り込んでいるところだと思います。あとK-POP的なサウンドの使い方も気になりました。歌詞聞いたらもっと気になるのかな~~~*19
さとう「歌詞はとにかく2サビを聞いてください。SURVIVORって、曲調が超ロックなのに対して、歌詞が結構切ないというか、強制しない感じなんですよ。まず一人称がこの曲調に反して『僕』なので」
em「えっ」
さとう「SURVIVORは2サビがすごいので(2回目)。まさにライブに引き込むための言葉というか、現実から夢の世界に連れ込むための誘いのようにも聞こえるのが良くて……」
em「あ~これ歌詞が先だ。この歌詞だと確かにこういう曲になるんですよね。この曲バンド畑の人にめっちゃ刺さると思いますよ」
さとう「わかりましたそうします。ちなみに映像観たことあります? こちらをどうぞ*20
em「これ映像観ないと全然わかんないですね! 全然違う! 床叩くってこれか!ww」
さとう「そっか振り知ってる前提で話してましたすみません」
em「なるほど、これ劇伴曲(劇中内で使用される音楽やそのジャンル)ですよ。SURVIVORのライブパフォーマンスが比率90%、曲としての役割は10%。だけど現場で見てる人なら確実に伝わる、『SURVIVORって良い曲!』っていう形の魅力。つまり、超特急というパフォーマンス、ひいては物語の劇伴曲。観て魅力がわかった……」
さとう「わかってくれました……? さとうの“さ”はSURVIVORの“サ”なんで」
em「wwww」

 

 

 

Love again

さとう「globeさんのカバーアルバムに参加していることはご存じでした? これはもう、コーイチの声がヤバすぎてしまって100億回1Aのコーイチパートをリピートしました。あと、気になったのがこの曲Bメロ無いですよね? Aメロが2センテンス続いてサビに入ってる! って質問案考えている時に思いました」
em「最高×100。日本のポップス・歌謡曲に最適化したコード進行*21、中帯域*22全振りの曲という感じなんですが、そもそもTK*23の音楽がユーロトランス(ユーロ=ヨーロッパ発祥のトランスミュージック。トランスとはovertureのような感じのジャンル。同フレーズの繰り返しや長尺のピアノ演奏が特徴)なので、TKがユーロトランスをJ-POPに解釈、そのあともっかい超特急(スタダ製作陣)が当時の曲調を意識しつつ現代なりにJ-POP再解釈となり、まあヤバいですね。ようするに、“カラオケで歌えるユーロトランス”って感じです。ただ、ゴリゴリユーロではなくテクノともちょっと近くて、またピアノ演奏部分といったタメを無くすとEDM(電子音で作られたダンスミュージック)になります。
ボーカルとしては、コーイチのカバーなのでは? ってぐらいヤバすぎました。愛を乞う人の歌い方は違いすぎる…… おっしゃる通り、これ、Bメロないです。コーイチの部分は『耳にキスして』が優勝しすぎ。しかし……、タカシの『服脱がせて天国連れていって』。ここのパートが良すぎて困惑しました(※本当に良すぎてセルフ昇天できるのでぜひ)
さとう「カ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッわかります」
em「Love againを聞いて思ったのが、声質の異なる2人以上でボーカル立てようとすると、ボーカルの帯域メインで聞かせることにならざるをえないので、ほかのバックトラックを犠牲にするミキシングになってるのかな、と。つまり、2人ボーカルだとトラックのバランスを犠牲にして2人の声を立たせるか、どちらかの声を犠牲にしてトラックを立たせるかになると感じておりまして。STYLEがコーイチの声とトラックを立たせるとすると、Love againが2人の声を立たせてほかの音を犠牲にしてる感じです。(※とはいえ、さとうのようなド音楽素人には、もちろん言われたところでまっっっっっっったくわからないレベルです)
ゆえに、タカシソロボーカル以降は、タカシの声を立たせるためにトラックをころさなくていいので、劇的に音が良い印象があります。タカシがいま、歌うのが楽しそうに見えるのは、自分が発する音(=歌声)が、全面的に使われていることも影響してる感じもするんですよね」
さとう「なるほど……」
em「あとLove again聞いてコーイチおよび吉野晃一が一番似合ってる音楽がわかるような。ブラックミュージックが好き*24っていうのわかるし実際すごく似合ってるんですけど、こういうホワイト系*25のグルーヴに噛み合う要素を持ってて。コーイチはマーティ・フリードマンとの相性抜群で*26スタジアムロックという一万人規模のロックがハマると思うんですよね。よっぽど声に芯が無いとマーティの演奏に負けるので、ここまでモノにできるカバーってなかなか無いというか。コーイチは間違いなく歌に愛された人です」

 

 

 

 

まだつづく!

凝り知らずなのでまだ続きます! 今回は上記の通りわたしが日頃から大騒ぎしているわたしが好きな曲を好きなだけ話聞いてきました。私利私欲申し訳ございません。こうやって話聞くと、好きだった曲がますます好きになりました。
予定としては次回最終回!(…のはず!) Part3のテーマは、「超特急のボーカル+ダンス」についてなどを猛ディスカッションしてきました。
お楽しみに!

 

 

▼ご協力いただいた方

em(@em_meow
emさんのDJ mixはこちらから👇
mixcloud.com

 

 

 

▼Part3「ボーカル・ダンサー編」 

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合わせてチェック☑

【発売情報】

▼single 「Asayake」

Asayake

Asayake

  • アーティスト:超特急
  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: CD
 

「Asayake」 | 超特急

個人的にジャケ写がすごい好き

 

▼BULLET TRAIN ONLINE SPECIAL LIVE 「Superstar」

wizy.jp

※2/8までの完全受注生産なのでご注意を!!!!!!!! 迷ったら買うと良いと思います

 

▼BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 「Revolución viva」

BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 Revolución viva [Blu-ray]

BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 Revolución viva [Blu-ray]

 

年末公演・年始公演を共に収録。なんてお買い得

 

▼冠バラエティ「ギラギラ超特急」

ギラギラ超特急 [Blu-ray]

ギラギラ超特急 [Blu-ray]

  • 発売日: 2019/08/08
  • メディア: Blu-ray
 

右上はさておき、東映許可済みの「超トッキュウジャー」

 

▼Youth Ticket Series

各3,565円のお手軽Blu-rayシリーズ第4~5弾。1~3も要チェケ!

 

 

 

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▼超特急への“はじめてのかきん”へのアシスト記事です

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*1:やったなテメー! って言われそう

*2:BULLET TRAIN ONEMAN “CHRISTMAS” SHOW 3rd Anniversary Special!!!!!!!! ~聖なる一夜~

*3:CHRISTMAS ONEMAN LIVE Fantasy Love Train〜君の元までつながるRail〜 at 国立代々木競技場 第一体育館

*4:日本のV系ロックバンド

*5:取材という名のご飯にあたり先にいろいろヒアリングさせてもらったなかで、Turn upヤバすぎ! と事前に申告されていました

*6:アメリカのエレクトロミュージシャン

*7:こんな時に大変便利なプレイパス。レコチョク様いつもお世話になっております

*8:黒人発祥の文化

*9:超特急におけるNew Mixとは、もともとコーイチとタカシの2人体制で歌っていた楽曲を、タカシが1人で歌い直したバージョンのこと

*10:グルーヴ=定義は曖昧だが、一般的にはノリや一体感のようなものを指す

*11:メルボルン発祥の、足を滑らせるような動きで表現されるダンスのジャンル

*12:2018~2019年に配信された冠バラエティ「ギラギラ超特急」内の、乃木坂46の「インフルエンサー」を一発で覚えろ! という企画

*13:他国の文化を自国向けにアレンジすること

*14:デスクトップミュージックの略。PC上で作る音楽

*15:タカシの本名は“太陽”と書いて“たかし”

*16:BULLET TRAIN SPRING/SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA 〜Breakthrough, The Six Brave Stars

*17:テレビ神奈川

*18:テレビ神奈川で放送されている音楽番組

*19:emさんはロックがあまり得意ではないとのことでした(笑)

*20:重ね重ねありがとうございますプレイパス

*21:つまり日本人に耳馴染みの良い楽曲ということ

*22:音の範囲の中でおよそ真ん中程度の音

*23:もちろん小室哲哉

*24:本人談

*25:発祥が白人系・白人向けと言われている音楽

*26:10thSG「Beautiful Chaser」はfeat.マーティ。さらに、2015年のFantasy Love Trainではマーティによる生演奏でBeautiful ChaserとLove againが披露された

【Part1】音楽で読み解く超特急【超特急の音楽全体編】

 


「SAY NO」ARENA TOUR 2019-2020 Revolución viva @Osaka

 

 

みなさんこんにちは。さとうです。
月イチくらいで更新したいと思ってたのに、Twitterでベラベラ話しすぎてネタ切れしていました。

さて今回ですが、オタクからオタクへのインタビュー記事になります!(???)
ご縁と行動力で、現役でDJをされているemさんにリア凸*1させていただき、わたしの聞きたいことを片っ端から聴取し、ボイスレコーダーに収め、記事化させていただきました。いや本当行動力。現場閑散期だから叶った。

はじめに事の発端を簡単に説明しますが、そんなことより超特急の音楽の話を聞きたい方の方が多いはずなので目次から本題に飛んでくださいませ。正直最高なのでよろしくお願いいたします!


※ガチガチの専門用語が多用されているため、一個一個に超簡単に説明した注釈をつけております。そのため文章がゴチャゴチャしていたりもするのですがご了承ください。
また、内容はすべて「個人的感想」「オタクの一意見」ということをご理解ください。

 

 

 

 

事の発端

8号車の布教活動により、いつも通り思いがけず超特急に出会った人々のツイートがTLに現れる日々。しかしある日、いつもと雰囲気の違う方が…… と8号車もザワザワし始め、それがemさんでした。

 
これまで超特急にハマる人々の多くは、元々別の音楽グループや、ミュージカルや舞台類の若手俳優界隈*2、そもそも初めてなにかに熱中する! という人などで構成されていました。そんななかでemさんは、現役でDJをされており、異色中の異色。少なくともわたしのような人間にとっては音楽のプロフェッショナルだったわけです。
さらにemさんの文章は非常に分かりやすく、専門用語も上手に多用されておりそれがなおさら「超特急ってなんかすげえんだな!?」という証明にも思え、勝手にリストに入れて監視させていただいておりました。

で、先日の「Revolución viva*3で直接ご挨拶させていただいた時もお互いアウトプット特化型(?)だったこともあり、ツメツメで30~40分*4ほど語りまくり。止まらないわけですよ会話が。話足りないから今度ボイレコ持って突撃しますわ~! みたいなことを半ば冗談でお伝えしたのち、「いや、コレ普通に記事化したらよくね? わたしだけがハッピーになっちゃいけなくね???」と思い、ちょうど良いタイミングを見つけたのでご提案させていただき、かっこよく言うと取材に至った次第です。

 

超特急の音楽を現役DJに思う存分語っていただく

1.emさんが超特急にハマった経緯をおさらい


※基本的には、emさんの下記のnoteにすべて記載されています。
note.comnote.com

さとう「ハマった経緯は何度聞いてもハッピーなので、簡単にお聞かせいただけますでしょうか」
em「ハマった経緯はなんといっても、以前バズっていた初乗車ブログでしょうか。基本的にバズっている記事は見る日常的な癖があって。そのなかでもファンコット(超特急の看板曲「バッタマン」が所属する音楽ジャンル。ジャカルタ発祥のテンポの非常に速いダンスミュージック)の情報ばっかりRTするinfoアカウントがありまして、そこ経由でそのブログがRTされてて読んだのがヤバすぎました。

この方のブログでなんでバッタマンを聞いてみるかと思ったかというと、『泥臭さ』や『8号車の色の洪水』といった、いわゆるアイドル界隈にあるメジャーアイドルとしての洗練、あるいは味気なさとは違うニュアンスを感じたためでした。
だからって、ただ見にきているだけで演者の世界観に溶け込む気がないorオタ芸を打つのが目的、というわけでもなく。超特急はそういった隔たりがなく、新規も古参も全員が溶けこんでいるという、メジャー・アングラどちらの界隈でもない感じがすごく気になりました。

また、そのブログに書かれていたバッタマンを表す表現が妙に引っかかり、それで「ちょっと聞いてみよう」てなったのが運の尽き(?)でしたね……。びっくりするぐらい、自分のDJで使うジャンルの一種である、ファンコットにモロな曲調で、でもファンコットの基本とは違うポップな構造にやられました。
そのあと嫌な(?)予感がして、『Hey Hey Hey』と『超ネバギバDANCE』を聞いたのがハマった決定打です。バッタマンだけならまだ”2010年代アイドルが使う電波ソング(定義は様々ですが、超特急でいうとまさに看板曲と言われるインパクトの強い楽曲など)ハードコアテクノ(速いテンポの電子音楽の亜流としてのファンコット”として理解できたんですが、2019年のご時世に、(Hey Hey Heyで)ガチでファンク寄りの音楽やるのがヤバすぎました」

 

2.改めて初乗車の感想を聞いてみる

さとう「初乗車の感想も何度聞いてもハッピーなので、お聞かせいただけますでしょうか」
em「当時の感情は、リンクしていただいたnoteこちらに置いてきました。最高しか言えません。なかでも、いまだに余韻として残るのが、”メンバーのみのダンス・歌、モニターへのカメラ抜きだけで12000人キャパでも人を楽しませることは、過剰に演出しなくても可能であること” “スタンドのかなり上方の席でも、曲ごとの空気が伝わること” “色気は100m以上離れてても知覚できること”でしょうか。

初乗車で『Body Rock』と『Kiss Me Baby』を見たのは、ド新規8号車の情操教育*5(?)に良くなさすぎる(※もちろん褒め言葉です)。また、1/3~1/5の代々木公演は、個人的にHey Hey Hey〜STYLEの流れが音楽的に天才すぎるセットリストなんですが、あまりにもブラックミュージック*6寄りすぎる展開で、さとうさんのSpotifyプレイリストでSTYLE聞き直すと、なんかもう泣けてきます。どっからどう聞いてもコーイチの歌(後述:【Part2】)寄り過ぎる。それをタカシができちゃうのか〜〜、と」

 

3.超特急の音楽への全体的な印象

さとう「超特急って、『バッタマン』とか『超えてアバンチュール』類の盛り上がり曲を“超特急らしい”とは表現しますが、“形・ジャンルに囚われない幅の広さ”そのものが魅力だと考えています。そういった“超特急の楽曲全体”への印象をお聞かせください」
em「ド新規8号車の身で言うと、『バッタマン』『超えてアバンチュール』はまぎれもなく超特急らしさを感じる曲です。そのアーティストらしさを決定する曲って、間口が広く、でも沼に落とす曲で。Perfumeで言うとポリリズムとかチョコレイトディスコとか。氣志團だとOne Night Carnivalとか」
さとう「いわゆる『代表曲』的な」
em「おっしゃる通りです。これを聞けば超特急! とわかる。ただ、“超特急の楽曲全体”で見ると、次に何をやるのか、マジでわからないのが最大の魅力だと思います。ファンから見た超特急といえばこういう曲調でしょ? という決めつけも、超特急を知らない人から見た、男性アイドルなんてそういう曲調の幅まででしょ? という決めつけも、何もかも超えていけるという強みがあります。すごい。

Perfume、BABYMETALと同じクラスになれる可能性の塊でありつつ、軸となる曲ジャンルはあるけど、超特急は次に何のジャンルをやるのかわからなくて、それすらもクオリティ高くやる感じ。
“非アイドル”*7K-POP or EDMコピー時期*8からの、インダストリアルロック(電子音を用いたロック、例:Beautiful Chaser)、ディスコ(例:PUMP ME UP)モータウン(ブラックミュージック×ポップ、例:Revival Love)、グライムダブステップ*9×ラップ・レゲエ、例:On&On)R&B(例:Body Rock)、サーフロック(例:TAXI)ファンコット(例:バッタマン)、パンク(例:超えてアバンチュール)、ミュージカル調ブレイクコアというかダンスコア(複雑なビートに、サンプリング*10を駆使したジャンル、例:Don't Stop 恋)、トレンディ80’s歌謡曲(例:サヨナラは雪のあとで)まで、マジでなんでもできる可能性がすごい。アティチュード*11がないからこその許容量がデカい。
なのですが、A&R*12の宮井さん*13いわく「なんちゃって(※該当記事」なので、あくまでも器用になんでもできる、日本発アーティストのスタイルは崩さないと思われます。
初見でYouTube閲覧して一発で評価されうるクオリティなので、『良さをわかる人だけわかればいい』て感じなのかなあと思います」
さとう「は~~~~~~~なるほど」
emYouTubeをラジオ代わりに聞く人へのアプローチの仕方がヤバい、という感じですね。『バッタマン』とか『超えてアバンチュール』は本当に初見で死んでしまうぐらい、音楽的な完成度と圧が強い。noteでも書きましたが、フェスやアウェイ環境で間違いなく8号車でない人々を惹きつけるのは、上記2曲と『超特急です!!!!!!!!』の計3曲かと。ヤバい理由としては、ファンコットやパンク、電波ソングを知ってる人ならおっと? となる曲調。これらはいわゆる3次元アイドルに興味ない人ほど刺さる音でもあります」
さとう「たしかに、超えアバは素人ながらにすごい曲だな、という印象はかなり強いです。なんかこう、つまづく部分が全く無い上に転調が異常にシームレスというか。ストーリー展開が目に見える曲で、ただ盛り上がるってだけじゃない感じがします。ちなみに超えアバ作詞作曲の浅野尚志さんはでんぱ組に多く楽曲提供している方ですね。一生のお願いなのでもう一曲だけでも超特急に曲書いてほしい」
em「この曲まさしくリョウガさんのキャラ設定そのものすぎて、例えば、3次元の女性アイドルグループに無関心だけど、『ラブライブ!』や、『ゾンビランドサガ』は激しく推せる人に向けた歌を”3次元男性アイドル(アーティスト)がやってる”ことのヤバさがすごい。というかわたしも『ゾンビランドサガ』や『魔法少女 俺』大好きマンなので、超特急がその心情の歌やってることに衝撃でした。話は戻りますが、一方で音楽のジャンルなどをそもそも知らないけど、何かしら抱えてる人(バッタマン:何者かになれないバッタモンな人、超えアバ:二次元オタクな人、超特急です!!!!!!!!:初見の人にも”8号車が好きだから〜〜!”なんて言えるの??と曲の趣旨が伝わった人)という、これから8号車になりうる人=未来のファンへのメッセージがエグすぎるというか、音楽としてのレベルとメッセージ性としてのレベルを両立できるのがすごい。
わたし、いまだに『超特急です!!!!!!!!』が、ユースケさん作詞作曲と信じられなくて」
さとう「ヱ! そんな!」
em「作曲・編曲はサポートスタッフがいればなんとかなるからまだわかる、でもその作詞はなんだ?? どこまでファンへの目線深いんだ?? と、こちらが怯むレベルで深度がつよい。
一見シンプルで、誰でも思いつきそうな歌詞にも見えるけど、実は『これは確かに超特急メンバーも8号車も愛してないと出てこない歌詞』になってるのがすごい。
TEFB横アリ版MCを聞いて、20分で歌詞降りたの!? ヤバすぎない!?!?!? コーイチさん、『デモ録音、家庭感出てるねん』てあなた… それ…って思いました。

個人的にそれも超特急の音楽なの!? とびっくりしたのは『Turn Up』『Seventh Heaven』『コーシエンノイ』『ソレイユ』『On&On』あたりなんですが、どのへんでびっくりしたかと言うと、そういうえげつない帯域(帯域=音の範囲。低すぎるくらいの音や、逆に非常に高い音を使用していたり、あるいはボーカルの声と重なってしまう可能性もあるなか、一級のミキシングによりどこも音が潰れずに綺麗なサウンドになっている)のトラックもやるのか、もしくはアイドルジャンル的にチル*14過ぎる音だけど良いのか?? という、いろんなびっくりがありましたね。
『On&On』はぶっちぎりに歌モノのグライムJ-POPとして最高なので、これだけはDJ各位にも聞いてほしい。音のバランス良くて歌も歌詞もいいので」
さとう「まあロマンス倶楽部*15ですからね……」
em「いやほんまロマンス倶楽部、アレな言い方ですがあたまおかしいレベルの作詞作曲性能なんですよ。あと、『Kiss Me Baby』も、そこ(サビ前)でバックトラック*16なくすの!? というびっくりがすごかったです。ああいう音の消し方、まずやらないことなので。そして『ライオンライフ*17』。ベースの音楽ジャンルがジャングル(サンプリング音を多用し、複雑なリズムを刻むテクノ系レゲエ)ハードコアテクノ電波ソングじゃないですか最高最高最高!!!!」
さとう「あああARuFaのキャラソン*18みたいになってるしわかります(手首にナイフを当てながら)」
em「これDJでもゴリゴリに使いたいのですが、使うとフロアで8号車さん本当につらくなると思うので、すごい使いどころ悩むやつです。これを七つの大罪というテーマに盛り込む*19のもヤバすぎる」
さとう「超余談ですけど、ライオンライフは音源と違って、現場で聞くとバックトラックのドンドン鳴る音がすごい前に出て聞こえて全く表情変わるんですよね」
em「最高じゃないですか……。あと、超特急はバックトラックの演奏が全員楽しそう、もしくは世界観を理解してやってる感覚がすごいです。特に超えアバは全パート演奏者すげー楽しく演奏してるな、てのが伝わる感じ。リズムがはねてる感じというか。楽しく(またはこれを機に名声稼げると見込んでる)楽器演奏、またはトラック制作できてる音楽はいい音楽です。調子がいいんですよね全体的に」

 

まさかのつづく!

想定の8億倍文字数が増えてしまい、1記事で済ます予定がこの記事一本で7500文字超えちゃいました(だいたい5分で読めるのが2500文字くらい)。そのため次回に続きます! Part2では、楽曲をいくつかピックアップし1曲1曲にフィーチャーしてお話を伺いました。本当にただわたしが楽しいだけの記事です。
それでは、お楽しみに~~~!

 

 

▼ご協力いただいた方

em(@em_meow
emさんのDJ mixはこちらから👇
mixcloud.com

 

 

 

▼Part2「各楽曲編」

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合わせてチェック☑

【発売情報】

▼single 「Asayake」

Asayake

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  • アーティスト:超特急
  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: CD
 

「Asayake」 | 超特急

個人的にジャケ写がすごい好き

 

▼BULLET TRAIN ONLINE SPECIAL LIVE 「Superstar」

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※2/8までの完全受注生産なのでご注意を!!!!!!!! 迷ったら買うと良いと思います

 

▼BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 「Revolución viva」

BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 Revolución viva [Blu-ray]

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年末公演・年始公演を共に収録。なんてお買い得

 

▼冠バラエティ「ギラギラ超特急」

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  • 発売日: 2019/08/08
  • メディア: Blu-ray
 

右上はさておき、東映許可済みの「超トッキュウジャー」

 

▼Youth Ticket Series

各3,565円のお手軽Blu-rayシリーズ第4~5弾。1~3も要チェケ!

 

 

 

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▼超特急メンバーをそこそこ詳しく紹介しています

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▼推しの6号車ユースケくんをそこそこ詳しく紹介しています

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▼超特急への“はじめてのかきん”へのアシスト記事です

ssssssato.hatenadiary.jp

*1:オフで会うこと

*2:さとうはココ

*3:BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020。2019年12月21日~22日大阪城ホール、2020年1月3~5日代々木国立競技場第一体育館

*4:普通ライブ前にフォロワーと会ったとしても、5~10分程度しか話さない

*5:心を育てる教育

*6:ビート感、グルーヴ感を特徴とする、黒人発祥の音楽の総称。R&Bやファンク、ソウルなど

*7:~「バッタマン」まで、CDに「非アイドル」と書かれたシールを貼っていた超特急。いまもその影響はファン内では根強く「非アイドル」過激派も多数。わたしも正直アイドルと呼ばれるとザワッとします

*8:「韓流リスペクト」を公言していた時代がありました

*9:超ざっくり言うと、2ステップと呼ばれる、四つ打ちのような比較的ポピュラーなリズムにとらわれないメロディに、強い残響効果を加えた音楽

*10:既存の音(それこそ電車の発車音とか)

*11:決まったスタイル、態度

*12:アーティストレパートリーと呼ばれる、レーベル会社において、アーティストの発掘や育成、ならびにそのアーティストに相応しい楽曲の制作などを担当する人

*13:超特急楽曲のプロデューサーまたは制作ディレクター。通称「おやびん」

*14:落ち着いた、ゆったりとしたサウンド

*15:さとうが絶対的信頼を寄せる正体不明の作曲家。「超ネバギバDANCE」や「Jesus」など

*16:簡単に言うとBGM

*17:2ndAL「Dramatic Seven」に収録された、1号車コーイチをモチーフにした楽曲

*18:「ARuFa キャラソン」で検索

*19:「ライオンライフ」が収録された2ndAL「Dramatic Seven」は、10thSG「Beautiful Chaser」とストーリーがつながっており、Beautiful Chaserは七つの大罪テーマ。さらにライオン=Beautiful Chaserでコーイチが背負っていた罪“傲慢”のシンボル動物

超特急タカシほどのボーカリストを我々だけのものにしてはいけない


超特急「Revival Love」MUSIC VIDEO

 

超特急17thシングル「Revival Love」発売おめでとうございます! 今回は、推しである休養中のユースケをのぞいた5人でのリリースとのことで、少し落ち着いた発売週にする予定でした。




タカシさんが歌う全6曲の新曲を聞くまでは。




いままでも、超特急唯一のボーカル・タカシの歌唱力や歌声の多様さなどは、あらゆる媒体で評価されてきたとは思いますし、わたしは音楽のプロじゃないのでアレですが、

本当にこれ忖度だ圧力だなんだつっていつまでもタカシの歌声を8号車*1だけのものにしとくのちょっとマジでおかしいよ!!!!!!!

っていう熱がポッと爆発してしまったので書にしたためます。

 

 

 

 

1.王道に超特急のスパイスを加えたポップチューン 
Revival Love


Revival Love」は、毎週木曜22時から放送されているドラマ「モトカレマニア」の主題歌で、いきものがかり水野良樹さんより楽曲提供していただいています。
タイアップよろしく、過去のMy Buddy*2のような、超王道J-POPをベースに歌声やダンスで超特急らしい要素もしっかりと加えられたA面です。80年代を“Revival”したテイストのMV、そして超特急、8号車にとって大切な「センター制度*3」も“Revival”され、想いがギュッと詰め込まれた一曲。

そんなRevival Loveは、タカシのなかではもっともポピュラーな歌い方をしているように感じます。6人制になる前からの、タカシの定番の歌い方がほぼそのまま活きたような歌唱。タカシのキャラクターによく似合う、角の無い柔らかくて優しい歌声です。とはいえ、歌い方は同じでも強弱の付け方や、サビ前の「シャクじゃな~↑い」など随所に差し込まれたしゃくり、表情が浮かぶような声色の調整などは格段にレベルアップしています。タカシのしゃくりマジでたまりません。あんなかわいいとかっこいいの間みたいな長身王道美形からこんな歌声が出るとか思わない。いまでも新鮮に驚きます。

 

 

  

2.8号車的には「コレコレ」感もあるキラーチューン 
Don’t Stop 恋


こちらは、4号車タクヤくんが出演する、映画『どすこい!すけひら』の主題歌。楽曲公開前は「こっちも主題歌なのに、両A面じゃなくてB面収録って……」という空気にもなりましたが、蓋を開ければ「そりゃそうだ。」な超絶キラーチューン。昨年MVが出るや否や「全く意味がわからん」とザワザワした、「Party Maker」をも凌ぐ勢いの情報量で、1曲のなかに何曲も入っているかのようなめまぐるしく変化する曲調がミソ。まあ制作が作詞お馴染み・ロマンス倶楽部*4、作曲が「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームわ〜るど」の庄田ゲゲゲさんという最強(最狂?)(褒)の布陣なのでそりゃそうだ。

さて、この曲がもっともタカシの手腕、てか喉腕(のどわん)が発揮されているので、ぜひぜひ聞いていただきたいのですが、この曲は全部で10~15人のタカシがいます。
下記記事参照⇓⇓⇓

超特急「Revival Love」インタビュー|止まらずに進み続けること 超特急が今に刻む“復活愛” (3/4) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

なにがすごいって、実際聞いて"本当にそう"なんですよね。そもそもまず、この曲自体が、メインになるメロディ、ラップパート、ロックパート、バラードパート、ランランパート(?)など、転調して全く違う曲に変化していきます。それに合わせて、タカシも定番な歌い方、ちょっとアホっぽい歌い方、ちょっと澄ましたような歌い方、イケイケオラオララッパー風、デスボチックなロッカータカシ、駅員調…… 明らかに分かるだけでもこれだけの歌い分けをしています。よく聞かないとわかんない、みたいな分け方じゃなくて、聴くからに人格が違うのですよ。
タカシ曰く「アホの子だけでも5人くらいいる」そうですが、たしかに、アホっぽい歌い方をしてる時も声色や音の終わりの処理の仕方? なども少しずつ異なっていて、あらゆるアホタカシがいるのが本当に分かる…… すごい。本当にすごい。Don't Stop 恋、通称「どすこい」は、過去最高人数のタカシがいると言っても過言ではないです。競るのは「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームわ〜るど」。これもタカシめっちゃいる。合わせてどうぞ⇓⇓⇓

激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームわ~るど, a song by Bullet Train on Spotify


中野ブロードウェイで流れてそうなヤバいティザー映像もぜひ⇓⇓⇓


超特急 「Don’t Stop恋」 Teaser

 

 

 

3.なぜかいやらしさの無い艶っぽい歌声はタカシならでは 
Body Rock

 

【超特急 インタビュー】王道から破天荒、そして史上初の挑戦まで超特急の武器が詰め込まれたニューシングル | OKMusic

⇑⇑⇑
このインタビューで「(日本語訳ががヤバすぎて)8号車が暴動を起こす!」とタクヤくんが言うほど、和訳すると大変なことになる、ということでリリース前からざわついていた、超特急史上初の”全英語歌詞”の「Body Rock」。和訳はこちらのブログが非常にわかりやすいのでぜひ⇓⇓⇓
Body Rock/超特急*歌詞和訳 - 語彙力ってなんだっけ?

これまでもいくつか、男性と女性の、いわば情事を描いたような楽曲は出ていますが、英語とはいえここまでストレートに描かれているのはもちろん初めて。年上組がアラサーを迎える今年だからこそできたのでしょう。歌詞の生々しさもさることながら、メロディもとんでもなくかっこいい。だって作曲ロマンス倶楽部やし。

そんな、ほか5曲とは一線を画すこのBody Rock。この曲、歌詞がマジでヤバいのに、楽曲はほぼバラードの落ち着いた曲になっています。R&Bテイストのシンセサイザーサウンドが心地よいメロ~ウなナンバーです(そんなにメロウでもないです)。前回のシングルでも、同様に暗喩を多用して情事を表現した「Before Dawn」という曲が出ているのですが(頻度)、こういう曲のタカシの歌声は、いずれも艶っぽさはしっかりありつつも、なぜか爽やかで、まるで水面に浮かんでるかのような気持ちの良さがあるんですよね。かっこつけたような歌い方ではなく、肩の力を抜いているようにも聞こえる歌い方をしています。それがもうロマンス倶楽部の作った曲にピッッッッッタリ合っててもうすごい。タカシの英語の発音もまた良いんですよね。あ~もうたまらん。このくらいのBPM+タカシのこの歌い方ってカッカしてる時に聴くと一気に気持ちが鎮まるのでおすすめです。
合わせてBefore Dawnもどうぞ⇓⇓⇓

Before Dawn, a song by Bullet Train on Spotify

 

 

 

4.意外にも超特急“初”の定番クリスマスソング 
Sweet Bell


ついに来ました、王道クリスマスソング。超特急はクリスマス(12/25)結成なので、クリスマス近辺は結成日に絡めたツアーが開催されるため、どちらかというとそちらに寄せたテーマソングが出ることが多め。これまで出たクリスマスソング? な曲と言えば、わたしがこの世で一番好きな公演2015年の「Fantasy Love Train ~君の元までつながるRail~」テーマソング「Fantasy Love Train*5、また、2017年の「The End For Beginning」の12/24、25テーマソング「BREAK OFF(通称「無礼講」)の2つくらい。BREAK OFFとかクリスマスの反対側*6みたいな曲ですし。好き。Sweet Bellは「Revolución viva」の年末公演「Pastel Shades Christmas」(12/21、22)のテーマソングです。

この曲、タカシという人間が現れてるかのような歌い方で非常に好きです。これもRevival Loveに近いタカシの定番の歌い方ではあるのですが、ガッチリ曲に寄せた、クリスマスソングverタカシになっていてすごい。すみません、ここに来て上手く言葉にできません。彼の、明るく、そして人を幸せにしたい! という気持ちの滲み出た雰囲気がそのまま声になったような歌声なんです。特に、個人的に好きなのがBメロの「鐘鳴り響け」の、微笑みかけるような、なにかがこれから始まることを予感させるあの感じ。さらに、Sweet Bellはなんといっても、タカシの大きな魅力の一つである美しいファルセットが絶妙に仕込まれています。加えて、彼の長音はブレがないので、その2つが共に堪能できるサビは、すんごく良いです。すんごく良いです。Cメロ? に入ってるフェイクも好きです。すんごく良いです……。

 

 

  

5.「いまの超特急」を映し出すジャジーなナンバー 
On & On


ブラスっぽいサウンドの響き渡るイントロ~低音がベンベンと鳴るAメロBGMが心地よいジャジーな一曲で、年末年始に開催される「Revolución viva」の年始公演、「Shine Bright New Year」(1/3~5)のテーマソング。いままでになくエッジの効いたクールなメロディで「“いま”の超特急」が表現されています。これまでも大小合わせて数え切れないほどの困難と向き合い、時には乗り越え、時には壁をぶち壊す勢いで進んできた、そんな野心家でもある超特急が見事に表現された強気な一曲だと感じます。超特急にしては随分歌詞の口調が強いのもまた新鮮です。ちなみにこの曲の作詞作曲誰かご存知ですか? せ~の「ロマンス倶楽部!」はい正解です。

個人的な話ですが、タカシくんはこういう曲がすんごく似合うと思うんですよね。昨年の年末アリーナツアー「GOLDEN EPOCH」テーマソング「Time of GOLD」、2019年のCDデビュー7周年記念ソング「Hey Hey Hey」のような、曲自体に超特急らしさは少なめの、R&B、ファンク、トランスのような楽曲と歌声が妙にマッチしているように感じます。
そしてなにより、この曲のすげえな! というポイントが1Aメロと2Aメロが別人です。1番では、なんとも挑発的にも聞こえるイケてるタカシ(いつもイケてる)かつちょっとスカしたような歌い方ですが、2番マジで腰抜かしますよ(?)。ややフライング気味の歌い出しは、がなるような歌声でかまし、続けて巻き舌でヒップホップのような歌唱に変化。ものの数秒の間に平気で2~3の歌声を魅せてくる。はあだいすこ。

 

 

 

6.80年代のムード漂うトレンディなウィンターソング 
サヨナラは雪のあとで

www.hmv.co.jp

※上記の3形態セットの特典として同封されています。気になる方は上記リンクからぜひ!

こちらは、楽曲そのものが“80年代リバイバル”な一曲。LoppiHMV初回限定盤A・B、通常盤を3枚同時購入するともらえるレアな曲になっています。正直レアにすな! ってくらい良曲なので現状未配信なのが非常に残念。一年後くらいに配信されると良いな……。曲に合わせて、メンバーカラーを使用したこちらも80sチックなジャケ写も必見。

矛盾失礼しますが、こういう曲タカシすんごい似合うんですよ(2回目)。もともと、タカシは自身が生まれる前(タカシは1996年生まれ)の曲への知識が非常に豊富で、ほか5人のメンバーが全く分からない昭和の曲も範囲内。そんな彼がこの曲を歌えば一級なのは言うまでもなく。ちょっぴり切ない、失恋を思わせる曲を哀愁たっぷり、これまた全く異なる雰囲気の寂しげな歌声で歌い上げています。
そしてタカシは、どちらかと言えばフレーズとフレーズの短い間に仕込む幅の狭いビブラートを得意としています。そのビブラートが遺憾なく発揮されているのが、このサヨナラは雪のあとで、です。ビブラート厨なので、ビブラートを察知した瞬間そこだけ何度も繰り返し聞いてしまいます。個人的に、80年代90年代風の曲好きなので1、2を争う一曲です。余談。

 

   

なにより、タカシの一番すごさは、上記のこの驚異的な歌い分けを、日本トップクラス*7 と称される5人のダンサー陣と一緒に踊りながら一切ブレることなく披露することです。もともと2人で歌っていた*8をたった一人、踊りながら、2.5~3時間ぶっ通しで歌うんです。音楽ナタリーのインタビューでも言及されていますが、全然贔屓でもなんでもなく、彼は日本でも指折りのボーカリストです。本当です。

 

 

 

 

こんにち「圧力は無い」だとか、「忖度はあった」だとか、いろいろな立場の人がいろいろ言っていますが、超特急をはじめとした男子音楽ユニットの多くが、権威ある音楽番組に出られていないのは紛れもない事実なんですよ。超特急がどんなに実力があっても、どんなに話が上手くても、どんなに顔がよくても、たったひとりでも該当者がいるだけで、わたしの推したちはその番組に出られないんです。でも、わたしの推し、そして向こうのタレント、どちらにも全く非はないんです。ただただ「大人の事情」です。
いくら超特急がアスリート並みの体力を持つ集団だとしても、ユーキさんが「若いうちに…」とよく言うように、いずれ思うように体が動かなくなる時は来るんです。無限ではない彼らの活動のうち、もういまの時点で8年もそんな「暗黙の了解」というルールで、彼らの望む金曜21時にも大晦日にも出られていない現実。後者は一応公正公平な機関なので、単純にまだその時じゃないんだというのはわかりますが、金曜の方に関しては、まあこの話はやめましょう。
そういう、多くの人間の目に触れる機会を奪われれば、そもそも8号車ではない人たちが超特急を知るきっかけは無くなり、根本的に曲の購入数だって増えにくくなります。こんなの絶対おかしいよ(わたしは杏子が好きだなあ~)

お願いなので、そろそろ日本の音楽番組は正しい判断力を持ってくれませんか。ズラズラとタカシの歌声の話をしましたが、コーイチの歌声で超特急にハマった身としては、彼の歌声が「超特急」のうちにお茶の間に響き渡らなかったことが悔しくて悔しくて仕方ないです。圧倒的な実力を持つ彼の、たったワンフレーズでも客席の注目を集めるようなあの歌声を聞いてほしかったです。



ちょっと話は逸れましたが、わたしは8号車になって! っていうんじゃなくて、この間違いない実力を持った彼らをもっと知ってもらいたい、偏見を無くしてほしい、音楽番組にももっと出てほしい、ということを伝えたいのです。
超特急って、本当にいい人たちなんですよ。こんなに実力があって、いろんな賞も与えられて、さすがスタダ所属、顔だってあんなに綺麗なのに、それを見せびらかすことなくとっっっっても謙虚で、でもしっかり野心は持ってて。こんな素晴らしいアーティスト、きっと多くはないはずです。

8号車だけが声を上げても、まだまだ足りないんです。もっと味方がほしい! 超特急って歌もダンスもこんなに上手いんだ、って思ってくれる人が、もっともっと増えていくことを願っています。

 

 

 

[祝・松尾太陽(タカシ)ソロデビュー!!!!!!!]

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*1:超特急ファン

*2:2017年放送 ドラマ「警視庁いきもの係」主題歌

*3:超特急はもともと、各曲でセンターを変えていく制度をとっていました。しかし、最近の曲はセンターを明言することが大幅に減り、それに対してはメンバー(特にユーキさん)も8号車も残念そうにしておりました

*4:5周年記念シングル「超ネバギバDANCE」の作詞作曲から、ほぼ毎回欠かさず楽曲制作に携わっていただいている正体不明の作曲者。超特急以外で全く情報が出てこないので、様々な憶測が飛び交いつつ、8号車から厚すぎる信頼を寄せられています

*5:これもクリスマスソング調といえばクリスマスソング調です

*6:どちらかというと忘年会寄り。Youtubeにリリックビデオがあるので曲名のリンクをタップ!

*7:2018年のMnet Asian Music Awardsで「Favorite Dance Artist Japan」を受賞、シンプルにヤバい

*8:2018年1月にボーカルの一人が脱退。そのためこれまでの2人のために作られていた曲もすべて一人で担当

食べログ風に超特急ライブレポをします

2019年6月1日

この日は、ずっと行きたかった「超特急」のライブへ。
偶然にも私の休みと重なり、迅速にチケット購入。
半年ほど前から決まっていたので、
いまかいまかと指折り数えておりましたが、
時の流れとは早いもので、すぐに当日になってしまいました。


早朝に自宅を出発し、会場がある「みなとみらい」駅へと向かいます。
そう、本日の会場は「パシフィコ横浜」。
二枚貝をモチーフに造られた、東日本唯一の国立ホールなんだそう。
目の前に海が広がり、心地よい風が頬を撫でます。
横にある屋外エリアでも、なにかイベントが行われていました。
パシフィコ横浜は、3年前にも同様に参加した、
超特急の生バンドツアー以来の訪問です。
会場へ近づくにつれ、きっと同じものへと向かうのだろう、
という淑女が増えてきました。
みな一様に自分の好きなメンバー(一般的には「推しメン」と言います)
のカラーを多用した、渾身のコーディネートに身を包んでいるようです。
そんな淑女たちの様子を伺うのもまた楽しみの一つでもあります(笑)


さて、会場へ到着するとまず見えてくるのはグッズを買うための行列。
げげ。結構並んでるな……。
しかし、そんなこともあろうかと、少し早めに家を出ているのです。
前方には100人に満たない程度の淑女たちが、
友人たちとの会話に花を咲かせながら待機していました。


私も本日一緒にライブを楽しむ連れとの会話を楽しんでいますと、
物販開始の10分ほど前に一度列が動きました。
「始まったかな?」なんて思いましたがまさかのフェイント…(笑)
ほどなくして、物販が始まると、徐々に徐々にレジが近づいてきます。
なにを買おうかな、なんて迷っていると、
案外すぐに自分の番がきてしまいますので、
事前に決めておくのが良いかもしれません。


本日の購入品は、
・生写真(会場限定を3セット)
・ラバーバンド
・缶バッジ
の3つ。
ムム……「限定」なんて言葉がついていては、
買わないわけにはいかないじゃないか……。
すぐさますべて開封
生写真には、なんと推しであるユースケくんが! これは嬉しいです。
私はユースケくん推しでありながら、全員が好き、というスタンスなのですが、
やはりランダムのグッズで推しメンが出てくれると、嬉しいですよね。


そんな良いスタートを切りつつ、近隣のカフェへ。
特にこだわりもなく、チェーン店へと入りました。
初めてのお店でしたが、なかなか美味しかったです。
ゆっくりしている暇は無いのがライブというもの。
開演の1時間前には会場の中に入ります。
入り口の反対側の壁には、過去に彼らが交流したり、
出演したりしている各企業・媒体からの祝花がズラリ。
あまりそういった業界には知識の無い私でも
聞いたことがあるような名前ばかり。
あれ、ファンも出せるようになればいいのになあ。


そんな感じで会場を見回したりしながら、本日の座席に着席。
椅子は柔らかくも固くもなく。前後の席の間は狭めです。
ちなみに、パシフィコ横浜の座席には、
収納式の小さなテーブルがあるのです。高ポイント!
しかし、使う理由もなく、人様のを眺めて終わってしまいました。


ひと息ついて、機材がセットされたステージを確認。
どれどれ、ずいぶん見やすいじゃないか。
決して前方席というわけではないですが、
ライブを見る時は少し引きで見るのがちょうどよかったりするものです。


開演までの間は、彼らの楽曲がリミックスされた
ノンストップメドレーの音源が流れています。
今年の6月からは、アニソンで有名な「DJ和」さんが、
そのメドレーを手掛けているんだとか。開演前から高まります。
およそ開演5分前に「本日は…」と、とても良い声の前アナウンスが!
こんにち、彼らのライブの前アナウンスは、
リーダーである3号車のリョウガくんが担当しております。
彼の良い声にさらに緊張が加速…… まさに超特急です(^_^;)(笑)


ほぼ定刻に会場が暗転。はあ…… 始まる…… 
すばやくペンライト4本に電源を入れます。
残念ながら、なにやらライブのことは全く覚えておりませんので、
詳細は、割愛させていただくことにいたします。


終わったあとに残る、この多幸感。
今回のツアータイトルは……、なるほど……これが「EUPHORIA」か。
なんて思いながら帰路につくと、
左手に横浜のランドマークの一つである観覧車が見えてきました。
こういうのもまた、思い出をより鮮やかに彩ってくれます。 


コストパフォーマンスは、お支払いをした記憶がもう既に無いので、
非常に高いのでは、というように思いました。
帰るころには、くたくたです(笑)
ぜひまた訪問、いや、「乗車」したいと感じました。
ごちそうさまでした。

イナズマロックフェスの超特急セトリがすごい2019

inazumarock.com



どうもさとうです。

 

ここ数週間の空前の超特急ブーム(?)に、本当に心から心底非常に感謝しております。
推し布教を生業とする8号車たちが手が回らなくなるレベルであちこち「超特急」と呟かれ、嬉しい悲鳴でございます。

 

 

lineblog.me

ユースケくんの誠実さ、かわいらしさが詰まっております

 


さて、今年の超特急のCDデビュー日である2019年6月10日、推しである6号車ユースケくんが膝の負傷などを理由に一時休養することを発表しました。
もちろんそれはそれは落ち込んだのですが、頑張りすぎることに一度ストップをかけ、きちんと自身の身体と向き合ってくれたことに感謝しています。我慢しすぎてもう踊れないなんてなったらと思うと……。(泣) 悔しかっただろうけど正しい判断をしてくれて本当にありがとう。

ということで、今年4~8月の4ヶ月に渡って行われた全国ツアーは、半分推しがいない状態で見て、ポジティブに考えると新たな発見もたくさんありましたし、なにより超特急メンバー、8号車の愛を再認識できる機会になりました。

しかし、それもあってか例年5回以上は出演する各所夏フェスには今年、「イナズマロックフェス2019」のたった1回限りでした。夏フェスを得意とする超特急としては異例中の異例という感じ。まあそれもそうだ、と納得していたので、イナズマ一つにめちゃくちゃ燃えていました。多分まわりの8号車も同じ気持ちだったと思っています。(思い込み~)




今回のイナズマは、最初に書いた通りユースケくんが不在。昨年のイナズマでかなりの印象を残したメンバーのため、個人的にはユースケがいないことでパンチが弱くなるんじゃないか、とか、それを補って他メンバーがワンマンのようにユースケに倣ったパフォーマンスをしても身内ネタになってしまうのではないか、と、悶々といろいろ考えておりました。

そんななかで今回のセトリは、


1.超えてアバンチュール
⇒「○○のせい!」と言っている曲
2.SAY NO
⇒ひたすら「ナイナイナイナイナイ!」と言っている曲
3.Kiss Me Baby
⇒名前を呼んだり、手をクルクルしている曲
MC
4.浮つきWAVES(ハーフ)
⇒タオル回し曲
5.バッタマン
⇒メンバーがひたすら絶叫していた曲
6.超特急です!!!!!!!!
⇒「各駅\よりも!/~\超特急です!/」の曲
※色はセンターメンバーです


という、攻め攻め無休憩“ド 超特急”セットリスト

これを読んでくださっている8号車はお気づきかと思いますが、超特急のライブアンセムが全て顔を揃えているようなセトリです。ここまでのセトリは過去に類を見ないと思います。正直、奇跡のセットリストと言っても過言ではありません。

基本的に超特急のフェスは、昨年のイナズマで「We can do it!」というスピード感のあるセクシーなナンバーを披露したように、1~2曲バラードや超カッコいいに振り切った楽曲など、一般的な超特急のイメージ」を覆す外し曲を混ぜてきます
今回はKiss Me Babyがその役割をしているんだと思うのですが、KMBはコールも振りコピも多い曲なので、フェスでの定番曲の一つです。
つまり、マジで超特急のライブアンセムだけをズラッと並べたセトリだったんですよね。過去にこんなセトリ見たことないです……。(まあ現場全部行ってるわけではないので何度かはあるかもしれませんが、レアであることは間違いないです)
本当にイナズマに賭けていたんだろうなと思います。

そして、これをどうしても今回のイナズマで超特急を見て興味を持ってくださった方にお伝えしたいのですが、最後の「超特急です!!!!!!!!」はユースケが作詞作曲した曲の一つで、なんと今回がフェス初出しです。

新録(詳細は後述)されてから、あまりフェスらしいフェスが無かったということもあり、なかなかワンマン以外で披露する機会が無く、また夏前にユースケくんが休養に入ったので、いつ超特急です!!!!!!!!がフェスで初披露になるのか、ずっと気になっていました。

5人しかいないなら、ユースケくんが作った曲を入れてくれれば、6人での出演になるから…… どうかやってください…… と6推し(6号車推し=ユースケ推し)わたしはメソメソしていましたが、想いが通じてくれたのか、今年のイナズマも6人で出演できたような気持ちでした。

 
そして、今回改めて痛感したのが、媚びでもなんでもなく、西川さんのファン・イナズマのファンの方のあたたかさです。いや本当に……。
先述の通り、バッタマンでメンバーが順に絶叫するというパフォーマンスは、まずユースケというメンバーがいることを知らないと、ただうるさいだけのグループだと思われかねません。そんななか、「黄色の子の代わりにみんな頑張っていた」と口を揃えて言ってくださっていたということは、昨年の超特急の出演をしっかり覚えてくれていること、好印象を抱いてくださっていたという証拠です。
MCでも「黄色のやべえやついたの覚えている方いますか~」の問いかけに、かなりの人数の手が上がりました。やや笑いの溢れる空気感でしたが、会場にいる6推しはきっとすすり泣いていたと思います。わたしはすすり泣きました。
今年のあのステージは、超特急の真っ直ぐで全力なパフォーマンスと、彼らの愛と、そして会場の非8号車のみなさまの温かい空気が揃ってこそできたことだと思うんです……。

そして我々8号車のお家芸、会場の超特急&8で目を引き→気になってウッカリツイートしてしまった非8に在宅8が群れをなしてツッコんでいき→余韻を長引かせ→自発的にバズを作り出し→8号車を増やす、という連携プレーで優勝します。(????)
新規に世界一優しい8号車、新規大好き、みんな超特急のこと大好きだからその大好きをもっと共有したくなっちゃう。そんな心理でございます。

 

 


普通こういうブログって他界隈の方ならではの視点がある方が伸びるんだと思うのですが、ここ最近のブーム(?)で8号車に乗車しかけている皆さまが読んでくれると信じ、8号車ならではの話をさせてください。

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イナズマで最後にやった「超特急です!!!!!!!!」は、先述の通り、ユースケくんが作詞作曲した楽曲の一つです。この曲、実は2017年末にファンクラブ会員限定でまず配布されたもので、つまり超特急が7人体制だった時に作られたものでした。
しかし、本楽曲が配布されたツアー*1をもって1号車コーイチくんは脱退し、半ばお蔵入りとなっていました。その後、その年の11月にリリースされた3rdアルバム「GOLDEN EPOCH」に、歌詞が書き換えられ、歌も一部録り直された新録版が収録されました。
勘の良い方は違和感を抱いているかもしれませんが、1Aメロに「8色のきらめく弾丸」という歌詞があります。当初はもちろん彼らは1~8号車、の8色でしたが、1人抜けてもなお、ここは歌詞変更されていません。ユースケくんはああ見えても(?)スペシャル頑固(頑固しかいない超特急で1、2を争うレベル)なので、彼なりのプライドだったのかなと思います。つまり、コーイチくんの想いも乗せた列車でいまも彼らは走り続けているんです。

ちなみに「弾丸」というのは、超特急の英訳である「BULLET TRAIN(弾丸列車)」の「BULLET(弾丸)」のことかと思います。直訳だとSuper Expressになりがちなんですが、きちんと捻った英訳を持ってるのが素晴らしいなと常々と思います……。

あともう一つ可愛らしい裏話ですが、もともとそれぞれの好物を言っていく部分、タクヤくんは「プロテインタクヤ」だったのですが、再収録にあたり、「タクヤプロテインをそんなに飲んでいない」ということが発覚し、真の好物である「おうどんタクヤ」になっています。きゃわい~




そんなこんなで、2019年唯一の超特急夏フェスは本当に本当に素晴らしい1日になりました。「黄色も揃って来年またおいで」という優しい声をたくさん見かけたので、ぜひ来年や再来年、ユースケくんも揃った完全の超特急をまた見てくれたらと思います。多分ユースケくんヤバいことになって帰ってくると思うので…… 6人揃ったら今度こそ晴れると思うのでご期待ください。




[お知らせ(?)]

▼ゴリゴリファンクの新曲もよろしくお願いいたします
今回やらなかったのが残念なくらい、歌もダンスもすんごくかっこいいです。ぜひどうぞ~!


超特急「Hey Hey Hey」MUSIC VIDEO

 

最近やっとSpotify埋め込めるの知りました。

はてブロすごい 

 

 

▼年末年始ツアー「Revolución viva」(レボルシオン ビーバ)」開催決定
年末年始にはそれぞれ大阪と東京でアリーナツアーも控えており、現在プレリク先行中なのでこちらもぜひぜひ。
bullettrain.jp




ほかにも11月にW主題歌シングルがリリースされるなど、2019年残り3ヶ月も楽しみがいっぱいなので、超特急をどうぞよろしくお願いいたします!



[関連記事もよろしくお願いします……]
▼超特急のメンバー紹介記事

ssssssato.hatenadiary.jp
▼やべえ黄色ことユースケくん紹介記事

ssssssato.hatenadiary.jp



[サムネイル用の画像失礼します]
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*1:「The End For Beginning」